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24. 市販の目薬を購入する際の注意点

市販で売ってる目薬は色々ありますが、購入の際にどういった事に注意すればいいのでしょうか。現在ドラッグストアに行くと様々な目薬が置いてあり、ドライアイにはこれがいいだとか、ものもらいにはこの目薬、疲れ目にはこのビタミン補充の目薬がいいとか色々ありますよね。眼精疲労に効くビタミンB12を最大濃度配合、コンドロイチン酸最大濃度配合など書かれたパッケージをみるとそのような目薬がいいのかなと思わないでしょうか。患者さんから市販の目薬を使うのならどのようなものがいいのですかと聞かれることもありますので、今回は市販で買う目薬のポイントに関してお話しします。
ドラッグストアで売られている点眼はほぼ第2類、3類医薬品のものなのですが、もし買うとしたら出来るだけ第3類医薬品の目薬を購入されることをおすすめします。その理由をこれからお話します。
医薬品で販売されているものは要指導医薬品、第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品まであります。要指導医薬品や第1類医薬品は薬剤師がいないと販売できないものです。第2類医薬品から第3類医薬品は薬剤師がいなくても登録販売者がいるところで購入できます。単純に薬の効果が高いけど、その分リスクが高いものは薬剤師の情報提供が必要というもので、リスクが少ないものは第2類医薬品、更にリスクが少ないものは第3類医薬品として分類されております。
目薬だけではなく様々な薬品がこのように分類されております。内服薬等も昔だと病気等に行かないと買えなかったものが同じ成分のものがドラッグストアで買えたりします。例えばアレグラというアレルギーの薬だったり、ロキソニンという痛み止めの薬ですね。ロキソニンは第一類医薬品といって薬剤師からの説明を受けないと買えないのですが、アレグラは第2類医薬品といいまして薬剤師がいなくても登録販売者がいるドラッグストアなら購入できます。比較的安心して使えるというものです。ちなみにドラッグストアで売られている点眼は現状は第2類、3類医薬品のものがほとんどです。

ロキソニンとかアレグラなどの内服薬は使用される方も多いと思いますので同じ成分のものを薬局で買えるようになったとのことで、とてもいい時代になったなと思います。クリニックに行き処方してもらった方が薬品の値段は安いのですが、仕事など様々な事情で中々クリニックに通院できないこともありますよね。いつも使っている薬を緊急的に使用したいといういことならいいかなと思います。ただ、クリニックと同じ成分の薬がドラッグストアで販売されている事を知っている方には目薬も医薬品と同じか同じくらいの効果があると思って購入されてる方もおられているなという印象を時々受けます。例えば結膜炎やものもらいの目薬などです、これは医師が処方する薬の成分と同じなのでしょうか。
結論から話しますと、第2類医薬品の目薬にはスッキリさせる成分だとか、充血ととる成分、防腐剤など色んな成分が混入されてます。これが実は逆に目には負担がかかる事があるんです。合わないで使用すると角膜の表面があれて表層角膜炎という目の痛みを引き起こす原因の病気になったりすることもあります。すっきりさせる成分はスッとして気持ちいいと思いますが、これはメントールという成分による作用です。この成分は症状を改善させるものではありません。眠気覚ましなど一時的に使用するのはいいのですが、日常的に使用すると目への刺激になり悪化させる可能性があります。この成分はもちろん医師が処方する目薬には含まれておりません。充血をとる目薬は血管収縮剤が入っています。確かにこれをさすと充血が引きます。血管収縮剤には塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリンが含まれています。これも症状を改善させるわけではありません。充血を一時的にとっても効果がなくなるとリバウンドといって更に充血がひどくなる場合もありますので注意してください。これらの成分は医師が処方する目薬には含まれておりません。市販の抗生剤と書かれている目薬ですと、成分は「スルファメトキサゾール」の1種類しかありません。これ実は抗生剤の中でかなり弱めで実際効きが弱いです。涙の成分にも自浄作用がありますので、これを使って治った場合はその目薬の効果というよりそもそも自然治癒していた可能性があります。医師が処方する点眼にはもちろんこの成分の目薬ありません。殺菌作用が優れているものを処方します。眼科によくあることでものもらいになったので、市販の抗生剤の目薬使ったけどよくならない悪化したと来られる方結構いらっしゃるんですよね。ものもらいはだいたい7ー8割くらいの方は医薬品の点眼で治っちゃうんですが、残り2割の方はしこりを残さてしまって完治のために外科的に切ったりする必要があります。治療が遅れる結果、そうなることがあります。それだけでなく結膜炎にも細菌が付着して発症した細菌性結膜炎 やウイルスがついて起きたものウイルス性結膜炎 、アレルギーが原因のアレルギー性結膜炎 など病態が様々であり、中にはぶどう膜炎といって結膜炎と違って目の中に炎症が起きていることもあります。
このようにすっきりさせる成分や血管収縮剤、防腐剤が入っているもの、いわゆる余計な成分が入っている目薬が第2類医薬品に多いです。第3類医薬品はこのような成分が含まれておりませんので比較的安全に使用できます。ドライアイの目薬では特にいいものもあり、おすすめする目薬もあるぐらいです。
ロキソニンやアレグラのように様々な医師が処方するような薬品がドラッグストアで売られてきていることから、目薬も同じように効果が高いものが売られているいるのではと思われることもあるかもしれません。特になんとなく第3類医薬品よりも第2類医薬品の方が効果がありそうだなと思いませんでしょうか。実はこういった大きな落とし穴があるんですね。

ですから目の充血をみたときにはご自身で判断なさらずに面倒でも眼科に通ってほしいと思います。結膜炎も色んなものがあり、眼科に行ったら意外な診断になることもあります。

今後結膜炎になってドラッグストアで目薬買ってる友人や家族の方がいたら教えてあげてほしいです。現状市販薬の抗生剤の成分にはスルファメトキサゾールしか入っておらず、それ効かないよ、眼科行ったほうがいいよと言ってもらえたら幸いです。

次回は逆にこれは市販で買っていい目薬だよというのをお伝えしたいと思います。


(2021.5.30)