ブログ

BLOG

35. 眼科医が考える子供にゲームをやめさせる方法

子供にゲームをやめさせる方法を眼科医の立場からお話させて頂きたいと思います。
日頃の外来で春とか秋になると学校検診の時期になって視力低下の紙持って外来に受診される方が年々増えているなと実感します。裸眼視力が0.3とか0.1とかまで落ちていることをお伝えすると、え、そんなにうちの子目悪いのとショックを受けられる親御さんが多いです。

私が小学生の頃は学童近視はわりとめずらしくて、クラスで眼鏡してる子ってあまりいなかったような気がするのですが、今や小学生低学年の子でも眼鏡が必要なぐらいの近視の度数の子がいてこちらとしてもこの子は眼は将来大丈夫かなと心配になることあります。近視の進行は6〜12歳の小学生の間に最も進み、低年齢で近視になるほど、すなわち発症が早いほど将来の近視度数が大きくなる、すなわち酷くなることが予想できるからです。
やはり、最近はゲームやスマホなどが増え、わざわざ外に行かなくても楽しめる環境が出来てしまい、そういった生活環境の変化がだいぶ関わっているのかなと思っております。実際2019年の東京都の検査だと小学生の子供は実に7割、中学生になるとほとんど全員近視になるというデータがでております。これは日本だけの傾向ではありません。近視人口の増加は世界的な問題になっており、2050年には世界の人口の半分が近視になってしまうといわれています。
こういった変化は遺伝子の変化だけでは説明できず、環境変化が原因であると考えられています。
ただゲーム機が流行っているという事だけが問題でなく、最近だとコロナ下で自粛生活のため外に出れない、デジタルデバイスを用いたオンライン授業も流行りこういう世の中だから仕方ないかなと思っておりますが、今や平成生まれの子は100年以上生きることが出来るようなので、この勢いで近視人口が増えると将来的に眼科的なリスクは増えるんじゃないかなと予想してます。

親御さんに生活背景を聞くと、スマホであったりゲームの時間が長いです、ゲームばかりやってますとか先生からもゲームはしたらだめと言ってくださいと言われるような事があります。スマホや、ゲームでも色んなゲームが出てきまして非常に娯楽が増えました。恐らくこういった傾向はますます増加するんじゃないでしょうか?私が小学生の頃はちょうどファミコン、ゲームボーイという初期のゲーム機が流行りだした頃で、この30年弱で凄く進んだなぁと思います。 
眼科の世界ではゲーム機を近視製造機なんていう言い方をされてるぐらい問題になっているものです。ゲームやスマホ辞めさせたりするのって1度スタートすると辞めるのは中々難しいですよね。大人と違って子供は自制が効きにくいので、親の努力は必須です。1度手渡したゲームを簡単に辞めることは中々難しく、それぐらい子供にとっては魅力的なことだと思います。
近視を進行する原因は何も今回お話しているゲームに限ったことではないのですが、実は本を読んだり、YouTubeの動画を見るといったことでも同じで長時間の近業作業が一番の原因です。この中でも特にゲームは夢中になってしまいやすく、近くで長時間熱中してできてしまいますよね。これがゲームが問題と言われている理由です。
ゲームを1度渡してしまうと中々辞めることは難しいので第一の前提としてゲームを簡単に与えない事が必要です。ゲームをする前にゲームが及ぼす精神症状などをしっかり向き合って話す事です。例えば、ゲームをしていないとイライラしたり攻撃的になる、ゲーム以外の活動に興味がなくなる、ゲームをしていないと苛立ったり、抑うつ状態になることもあります。自分の身支度をしなくなったり、睡眠の乱れ、背中や手首の痛みなどが出ることもあるといったことです。なぜ私があなたにゲームを渡すのをためらってるのか、ただゲームだめ!っていうだけでは足りないんですね。
本当に子供の事を考えて、こうなってほしくないからゲームをして欲しくないと説明する事が大切です。とは言っても同世代の子供がゲームをもっていて、我が子だけには与えないというのがどうしても可愛そうに思えてしまって渡してしまうのが親の心情だと思います。その場合ですが、まずやる時間は1日に1時間までと決めてください。1時間というのはWHOという世界保健機関が示している時間です。そしてゲームするのは皆が集まる場所に限定させてください。ストップウォッチなどで測定し、時間がたったら誰かが指摘するようにしてください。そして、小さな画面ではなくテレビのような大きな画面で見てテレビから離れてするようにしてください。 
基本的な事としてこのような事をお話したりするのですが、眼科医の立場から私としての1番のオススメは、出来るだけお子さんを野球とかサッカーなどのスポーツ少年団などの何らか興味があるものでいいのでやらすようにすることです。休日は家族でどこか出掛けるなどするなどでももちろんいいです。スマホやゲームというのは結局のところ暇だからしてしまうのではないでしょうか。それなら暇な時間を無理矢理でも少なくすればいいと思ってます。特に外出して野外活動するなどは今まさに近視学会などからもすすめられていることです。屋外活動2時間以上するのはとても効果的です。太陽の光にはバイオレットライトという近視抑制になる光をふんだんに含んでおり、この光を浴びながら外で遊ぶことは近視の抑制に効果てきめんです。外で遊ぶということは心身の発達にいいですし、眼にもいいことです。ですからゲームをするのならそういった屋外活動に参加することを義務付けることも有効だと思います。ゲーム以上に興味をもつ分野ができれば少しずつゲームから遠のいで行くのではないかと思います。私は屋外活動を2時間以上できるのなら1日1時間ぐらいのゲームならご褒美としていいのではないかと思います。
今回はゲームの時間を短くするにはということでお話させて頂きました。
ゲームを持たせている子供には親の管理が必要であること、スポーツなどの趣味をもつこと、ゲームをするなら一時間まで、テレビのような大きな画面で離れてすることをすすめさせて頂きました。

(2021.7.24)

  • 058-262-3224
  • ページの先頭へ