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33. 緑内障治療の1stチョイス

緑内障に使う目薬に関してお話しさせて頂きます。緑内障の目薬は歴史がありもとは1966年のサンピロという副交感神経刺激薬が始まりでした。ちなみにこのサンピロという目薬は今でも緑内障治療において重宝されている目薬です。その後今では使われませんがエピネフリンという交感神経刺激薬という薬が発売され、様々な点眼薬が発売されて最近だと合剤といって2つの目薬が1つになったというようなものもたくさんでてきており、30種類ぐらいの緑内障点眼薬があります。その中で現在ではプロスタグランジン製剤という目薬かβ遮断薬という目薬が緑内障の患者さんにとって1stチョイスとなる事が多いです。
緑内障治療で唯一エビデンスがあるのは眼圧下降です。もとの眼圧を下げることが1番大切になります。それ以外にも循環障害説などがあるのですがやはり眼圧を下げることが大切です。日本人に多いとされる正常眼圧緑内障、その次に多い原発開放隅角緑内障という病気において眼圧を30%下降させることが目標となります。18ぐらいの眼圧の方なら目標眼圧は12ぐらい、24とかなら16ぐらいになります。元の眼圧より30%下降させれば80%ぐらいの方は進行が抑制されると言われているから眼圧を下げることは大切なんですね。この目標眼圧をいかに目薬すくなく達成するかが1つのポイントといえます。考え方によったらあらゆる目薬をさして、とにかく眼圧を下げれるだけ下げた方がいいんじゃないでしょうか?というように思われるかもしれませんが、緑内障と診断されたら緑内障の点眼は毎日やっていただくことになります。なので毎日の点眼をちゃんと継続させるには出来るだけ点眼回数を減らすことがポイントになります。というのは緑内障治療で問題になっているのは途中で治療を中断してしまう人がいるからなんです。
1年後には半分の人が脱落し、2年後には30%の人しか継続できていないと言われております。緑内障が初期で発見されて点眼を開始すれば失明するような事はほぼ無いと言えるんですが、初期の人は自覚症状がありません。なので、なんで目薬をしなきゃいけないんだろう、目薬が多くて面倒くさいな、ゴロゴロしたり違和感があるしということで治療を中断されてしまうことがあるようです。こういう方は数年後、視力低下を自覚し既に緑内障としてはかなり進行している状態になるため手術などを検討しなくてはいけなくなるというのはよくあるパターンなんです。こういったことを僕らは薬物アドヒアランスが悪いといいます。簡単に言うと医師が薬を処方しているのに薬を使っていないもしくは使っているが正しく使えていないという状態です。ご高齢の方には多いのですが、薬の管理が自分でできない方と疑われる場合があります。緑内障の目薬は眼をすっきりさせる快適にさせるような目薬はありません。目薬をさすと多少なりとも充血したり、後ほどお話しますが目の周りが黒ずむような目薬もあります。そのような目薬を例えば3剤くらい処方されているにも関わらず眼の表面がまったく綺麗である事、ご本人様の認知能力等から薬がさせているか疑問に思った場合はご家族や施設の方の力を借りて目薬をさしてもらうこともあります。そうすると次受診時には驚くぐらい眼圧が下がって手術を回避できたということもしばしば経験します。
このように緑内障治療で大切なのはしっかり継続して点眼をさし続けるということになります。
その目薬がもし1日1回で済むのなら、毎日なんとなく習慣ずけて継続出来るような気がしないでしょうか?緑内障治療において緑内障ガイドラインには治療方法について記載があり「第1選択は眼圧下降の点からプロスタグランジン製剤を第1選択とする、ただしプロスタグランジン製剤に副作用がある場合はβブロッカーも第1選択となり得る」とあります。プロスタグランジン製剤は現在4種類あり、ビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト、ダブルプロストという4種類あります。細かな違いはありますが、基本はどれも同じだと考えて頂いていいかなと思います。最近だとラタノプロストの製剤がLancetという世界的に有名な論文に出た関係で改めてその有能性が確認されました。プロスタグランジン製剤は緑内障の眼圧下降経路で主経路と副経路と2つあるうちの副経路、ブドウ膜流出路を活性化させて眼圧を下げます。1日1回で済む点眼でありながら眼圧下降効果は30%近く平均で得られるという凄くよい点眼なんです。2001年に発売され、その効果は長年実証されております。身体への副作用も心配がありません。ただ唯一欠点というとこの目薬は目の周囲につくと皮膚が黒っぽくなったり、目の周囲の脂肪が薄くなって窪んでしまったり、睫毛が伸びたりとかこういった事をプロスタグランジン関連眼疾患PAPというのですが、こういう見た目的に問題になる事があります。ご高齢の方や、緑内障として待ったなしの人はこの目薬を使用するべきだと思いますが、若い方で見た目が気になる方はβブロッカーという目薬を使います。βブロッカーはチモプトールやミケランといった薬です。先程のプロスタグランジン製剤と異なり毛様体無顆粒組織というところに働き房水の産生を抑制させるものです。1日1回タイプのものから2回のものがあります。こちらは喘息とか不整脈といった持病がある方には使えません。眼圧下降はプロスタグランジン系製剤と比べると、眼圧下降はやや劣るのですが20%以上の眼圧下降を期待できる目薬になってます。やはり1stチョイスはプロスタグランジン系製剤だと考えますが、いづれにしろ自分に合った目薬を選ばなければなりません。眼科医と相談してそれぞれの目薬のメリットデメリットを理解し決めるようにしてください。

(2021.7.9)

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