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25. 筋トレで眼底出血

筋トレ後に眼底出血をすることがあるということご存知でしょうか。
皆さんはバーベルなどを用いてベンチプレスなど筋トレをすることはありますか?
私はかれこれ10年ほど週に2回、健康のためにスポーツジムに通っております。筋トレは身体のトレーニングでとてもいい事だと思っておりますが、誤ったトレーニングの仕方すると眼底出血を起こして見えなくなってしまうことがあるので注意してください。バルサルバ網膜症という眼底出血がありまして、息んだりするときに眼の血管が破裂することがあるんです。若くて、特に基礎疾患が無い方でも起こりえます。バルサルバ効果というものによって眼の奥に出血を起こすことがあるんですが、バルサルバ効果とはなんでしょうか?バルサルバ効果とは息を止めていきむことにより筋肉が緊張し、いつもより重たいものをもてたり、血圧が上昇して心拍が早まることをいいます。このバルサルバ法は筋トレ経験者なら多くの方がご存じだと思いますが、普段もてない重さを息をこらえて筋緊張を保つ事で持てるようにするテクニックでもあります。
ただ、いきむことにより胸腔内圧が急激に上昇するため静脈血が胸腔内へ還流できなくなり静脈圧が急激に上がります。本来筋トレ中に息をこらえないのは、息をこらえるとこによって急激に上昇した血圧が息を吐くことによって、血圧がストンと落ち迷走神経反射が起きて徐脈になり失神するような事が起きたりしますし、心臓疾患、高血圧のある方は急激な血圧上昇により脳出血のような危険な状態を引き起こすために注意が必要であると知られています。
ですが、この息こらえによるバルサルバ効果が目へ影響を及ぼす事に関してはあまり知られていません。トレーナーの方と話しをするときに聞いたりするんですが、バルサルバ法で目の出血起こすんですよと話すと、怖いですねぇ、それは知らなかったですと言われますのであまり知られていないと思ってます。確かに稀ですしね。
目の場合は、息こらえで網膜静脈圧が上昇して血管が破綻し眼底出血を起こすバルサルバ網膜症というのが知られており、1973年に海外で初めて報告されています。眼科では時々原因不明の眼底出血として鑑別に上がるのがこのバルサルバ網膜症です。眼底出血とは主に糖尿病による糖尿病網膜症であったり、高血圧、高脂血症などによる高血圧網膜症、網膜静脈閉塞症といった病気であったり網膜剥離や外傷による出血が多いのですが、20-30代と若年、特に持病もないのに眼の奥に出血が起きていることがあります。普段の生活を聞くとベンチプレスのような筋トレをしているということが判明し、バルサルバ網膜症の疑いが強いと診断されます。
多いのはトレーニング中、もしくは終了して1日ぐらいたった後に遅れて出血が起こり目がみえなくなります。身体作りのために筋トレしているのに目が見えなくなるなんて怖いですよね、バルサルバ法でのトレーニングは筋トレ初心者の方はあまりおすすめしません。理想はトレーナーと一緒に呼吸法を学びながらトレーニングをすることだと思います。
このように筋トレ中に眼底出血を起こすことがあるのですが、バルサルバ網膜症の経過は良好なことが多く、ほとんどのケースでは安静にして経過観察をするだけで後遺症もなく回復します。筋トレ中にずっと息を止めるのはよくありません。正しく呼吸することが大切です。バーベルなど重さに挑戦するときはどうしても息をとめてしまいます。私も経験あるのでよく分かります。息を止めたほうが腹圧に力がはいりますし、普段以上の力が入るので今まで上げれなかった重量を上げれたりします。ただ、呼吸を意識しながらやられるのがベストですが、息を止めるとしても一回のアクション毎にしてください。大きく息を吸って、力を入れて、吐きながら戻すという動作を忘れないようにしてください。理想の呼吸法はスクワットなら立ち上がる時に息を吐き、しゃがむ時に息を吸います。ベンチプレスの場合ならバーベルを上げるときに息を吐き、バーベルを下げるときに息を吸います。分かりやすく言うと、力を出すときに息を吐きます。このような呼吸法はジムでトレーナーに教えてもらうのがいいと思います。筋トレに夢中になるとつい呼吸を忘れてしまうので注意してください。筋トレを例にしてますが、この現象は筋トレだけで起こるわけではないです。お産の時であったり、遊園地のジェットコースターや重たい荷物を持ち上げたり、嘔吐、喘息発作、排便中のいきみなどで発症したという報告があります。バルサルバ網膜症の頻度は稀ではありますが、最も起こりやすいのが筋トレのような運動中で全体の40%程で発症していると言われています。2番目は嘔吐なんですね。全体の20%は嘔吐で発症すると言われてます。高血圧や心臓疾患がある方は特に注意が必要ですが、このように若い健常者でもなり得るので、しっかり呼吸を意識してあまり息をこらえないようにして下さい。


(2021.6.5)
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