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165.目のセルフチェック検査をいくつかやってみましょう!

今回は目のセルフチェック検査をいくつかして頂いて目に異常がないか一緒に確認してみましょう。日常生活で得られる情報の8割以上は視覚



から得られていると言われるように、言うまでもなく目は生きていくうえで重要な器官だと思います。その目の健康を維持するためにどんなに目がいい人でも40歳を過ぎたら眼科受診して精密検査を受けて頂きたいのですが、分かっていても仕事などの理由で中々受診できていない方が多いです。多くの方は見え方に困らない限り眼科を受診しません。その結果として緑内障や黄斑変性症など色々な病気を見逃している方たくさんみえます。

昔では治療法がなかった病気にも効く治療、例えば眼内注射など色々あるわけですが、一般的にだいぶ病気が進行している状態ではどんな新しい治療でもよく反応しません。目に限った事ではありませんが、早めに発見して治療するのがよい状態を保つ重要なポイントになります。いくつか簡単にできる目のセルフチェックがあります。簡易的なものなのでこれが全て問題なければよいというわけでは決してありませんが、目のセルフチェック検査をいくつかやって頂いて異常がある方は早めに眼科受診するようにしてください。

まず一つ目乱視の検査です。乱視とは、ものを見るときに焦点が1ヶ所に集まらない状態のことです。文字やものが二重に見える、ぶれて見える、ぼけて見えるなどの症状が現れる原因となります。自分の目が乱視があるかどうか知っていますか?

こちらをみてください。



やり方はとても簡単で片目を隠して、この表を見て下さい。スマホでみている方は画面からの距離は30cmぐらい離して見やすい距離で見るようにしてください。

全ての線が同じ濃さで同じ太さに見えますか? 【5秒程度静止してください

全ての線がほぼ同じ濃さ・太さに見えれば乱視はないと考えられます。

ですが





次のように線の濃さが違う、線の太さが違うように見えた場合は、乱視の可能性があります。乱視




があると濃い線にそって角膜や水晶体が歪んでいます。上下方向




が濃く見える場合、直乱視といいますが、上下方向に押しつぶれた形になっています。最も多いタイプの乱視です。縦方向の線がはっきり見えるものの、横向きの線はぼやけて見えます。横方向で濃く見える場合倒乱視といって、横につぶれたような形になっています。斜め方向に濃くみえる場合斜乱視といいます。

長時間の運転や映画鑑賞などをしていて、夕方に目が重く感じたり、肩こりや頭痛などの不調はないですか?もしかしたらその原因、乱視が関係しているかもしれません

一般的に、乱視が全くない方はあまりいません。ほとんどの方は多少眼球の歪みによる乱視がありますし、乱視があるからといって必ず悪いものとも限りません。矯正の必要が無かったり、矯正するとかえって違和感を感じる場合もあるからです。しかし強い乱視は目の疲れや不快感の原因につながっていることもあるので気になる方は眼科受診してください。

二つ目



レッドグリーン検査という検査です。

「二色テスト」とも呼ばれます。メガネの度数が過矯正か低矯正かをチェックするための検査です。眼鏡やコンタクトを作るときに経験したことがあるかもしれませんね。赤色の光は波長が長く、反対に緑色は短いという光の性質を利用してチェックしています。

その目の疲れ、眼鏡やコンタクトの度が原因かもしれません。

眼鏡



やコンタクトをしている方はしながら片目ずつ検査してください。どちらの二重丸がハッキリ見えますか?【
5秒程度静止してください

眼鏡の度数が適切なら赤と緑の中の二重丸が同じようにハッキリ見えます。しかし



赤の方の二重丸が強くハッキリ見える場合は近視状態であり、緑の方の二重丸が強くハッキリ見える場合は遠視状態であることを表します。すなわち、近視の方でメガネを掛けて見た時に緑が見やすい場合は、そのメガネは過矯正、度が強い可能性があります。

一般的に眼鏡もコンタクトも低矯正である分には問題になりにくいです。パソコン作業のような手元作業が中心の方が遠方にしっかり合わせると、目の疲れにつながる場合があります。そのためあえて弱めにされている方もいます。すなわち近視の方で赤の方がハッキリみえても問題にならない事がありますが、過矯正は目にとっていい事がありません。度が強いレンズを長時間使い続けると、目が疲れるばかりか、頭痛・嘔吐などを引き起こす場合があります。とにかく目が疲れる、長時間眼鏡やコンタクトをしていられないという方は度数が合っていない可能性があるのでチェックするようにしてください。

三つ目、アムスラーチャートという検査



です。目の黄斑という部分の検査です。チェックの仕方として




  1.  約30㎝離してください。これも眼鏡やコンタクトレンズを装用してチェックします。
  2.  必ず片目ずつチェックします。片方の目を隠し、もう片方の目で表の中心にある黒い点を見つめます。目線を黒い点においたままで、表の四隅はしっかりありますか?格子状の線は真っ直ぐな直線になっていますか?どこか歪んでいたり、欠けていたりはしませんか?
  3.  一度画面から目を離し、少し目を休ませてから、反対側の目も同様にチェックします。

次のようにみえる方は要注意です。【3秒程度静止してください

 1.中心がゆがんで見える



 ➁見たい部分が黒くなって見える ➂部分的に欠けている

正常に見える場合このような違和感を感じませんが、何か一つでも当てはまる症状があった場合、目にとって大切な黄斑



という部位が障害受けている可能性があります。黄斑は網膜の中で最も視覚機能が敏感な部分で、黄斑で私達はものをみています。常にピントが黄斑に合うように、目を上下左右に動かしてものをみています。私



たちは普段このようにみていると思います。

どこも同じようにみえているような感覚があると思いますが、実際



はこうみています。黄斑




にピントを合わせてみています。黄斑が障害を受けると極端に視力が下がります。見え方に違和感があった場合速やかに眼科受診するようにお願いします。

4つ目緑内障の検査です。緑内障は視野が狭くなっていく病気です。一度欠けてしまった視野は元には戻らないため、早期発見と治療が重要です。こちらをみてください



①画面から

20-30cmの距離で確認します。

➁片目を手で隠して、中央の 黒い丸をじっと見つめます。

➂砂嵐の中に見えづらい部分があるかどうかを調べます。

④もう片方の目もチェックしてください。【5秒ほど静止させてください

このように



他の場所より少し暗く、かすむ部分ないですか。異常を感じた場合、何らか目に異常がある確率が高いです。ただ、残念ながら異常が無くても緑内障ではないとはいえません。緑内障の非常に早期の段階では視野が欠けないからです。視野が欠け始める前の早期の緑内障を前視野緑内障といいます。前視野緑内障




とは視神経に緑内障の変化があるにも関わらず視野欠損がまだでていない早期の状態です。緑内障かどうかは眼底検査が必要ですが、OCTという検査を併せて受けることで、この早い段階の緑内障を見つけることができます。

普段の健康診断で行われる、視力、眼圧検査だけ行っている方いませんか。視力と眼圧がよくても緑内障でないとはとてもいえませんので注意してください。日本人の7割は正常眼圧緑内障といって、眼圧が正常の方です。また視力が落ち始めたときにはすでにだいぶ進んでいます。

通常緑内障は視力が最後まで落ちません。この検査で異常があればすでにだいぶ進行している可能性があります。緑内障に関して詳しく知りたい方は2024/4/30発売予定である【緑内障に効くたった二つの習慣】よければ御覧ください。このあたり詳しく書いています。

5つ目色覚検査です。色覚検査とはそのままですが、色の見え方に異常があるかどうかをみつける検査です。色覚異常



があるとモノクロの世界を思い浮かべる方がいますが、このようにみえます。目の奥、網膜にある「視細胞」には赤に敏感なタイプ、緑に敏感なタイプ、青に敏感なタイプの3種類があります。それぞれがバランスよく反応して色を正確に認識しています。色覚の異常は、この3種類の視細胞のうちのどれかが足りなかったり、十分機能しないために起こります。眼科では石原式色覚検査という検査をまず行います。次の数字はよめますか。いくつか見て頂きます。これ数字




がみえますが、いくつにみえますか

最初は12です。次は



どうですか、74です。ではこれ




はどうですか 6です。では




これはどうでしょう。42です。ではこれ




はどうでしょう。数字が見えないが正常です。

色覚異常は圧倒的に男性が多いです。日本人での頻度は男性の約5%に見られ、女性には0.2%と滅多にみられません。なぜ男性に多いのかというと先天性の色覚異常は伴性劣性遺



伝という遺伝形式をとるからです。お母さんを介して、男性に対して隔世的に発症します。そのため発症している方の母方のおじいちゃんも発症しているということになります。国内では300万人以上の方がみえるとされていて、決してまれなものではありません。

障害の程度によっては信号機の色



を見落とす可能性などから警察官、消防官、自衛官、パイロットなどで職業制限がある場合があります。色覚異常は遺伝性なので残念ながら有効な治療法がありません

色覚異常はこのような先天性のものだけでなく後天性のものもあります。色の見え方は網膜や脳に異常があると、正常に判断できません。そのため緑内障や加齢黄斑変性症のような網膜疾患がだいぶ進行していたり、色を判断する脳の部分、後頭葉という部分ですがその部位に脳梗塞が起きると色の見え方が正しくみえなくなります。

セルフチェックどうでしたか?今回お話ししたセルフチェックはあくまでも簡易的な検査なので、お使いのモニター画面の大きさや明るさ、見る角度により結果が変わる可能性もあります。あくまで目安のようなものとして考えてください。何か気になる事があれば早めに眼科へ行くようにしてくださいね。

今回は目のセルフチェックに関してお話しいたしました。

(2024.4.23)