今回は目にもよくて癌の予防効果もあると報告された果物に関してお話させて頂きます。
目に良い果物はキウイフルーツや柑橘系のフルーツが推奨されています。これらのフルーツがなぜ目によいのかというとビタミンCが多いからです。
ビタミンCが多い代表的なフルーツといえばレモンだと思いますが、実はキウイの方が多くビタミンCが含まれている事をご存知でしょうか。
キウイに多いのはビタミンCだけではありません。目に大切なビタミンはビタミンC以外にビタミンEやルテインなどがありますが、キウイにはこれらの栄養素がどれも全ての果実の中で非常に多く含まれています。
キウイフルーツは果肉が緑のグリーンキウイや黄色のゴールドキウイがありますし、あまり知られていませんが、ベビーキウイというものもあります。どれも基本的な栄養価は同じなんですが、少し違いがあります。今回は何故キウイフルーツは目に良いのかということと癌の予防効果もあったキウイに関してお話させて頂きます。
キウイフルーツや柑橘系のオレンジ、グレープフルーツの特徴はまずビタミンCが多い事です。
目は全ての臓器の中でビタミンCの消費量が多いとされています。
目の中には房水
という透明なお水が流れていて、角膜や水晶体に栄養を与えています。そのお水に含まれているビタミンCは血液中より20倍近く多く含まれています。何故これだけ多くのビタミンCが含まれているかというと目を守るために大量のビタミンCを必要としているからです。ビタミンCは水溶性のビタミンで強い抗酸化作用があります。水晶体や角膜を酸化ストレスから守る役目があって絶えず消費されています。
多くの研究で水晶体だけでなく網膜の機能維持のためにビタミンCが必要であることが報告されています。
①果物は生で取ることが多いので、栄養を失う事なく効率よくビタミンCを摂取することができます。そのためビタミンCが多いキウイフルーツであったりグレープフルーツ、みかんのような柑橘系のフルーツはオススメです。
➁また果物には野菜と比べるとわずかな量ですが、ルテインが含まれています。わずかな量ではありますが、果物のルテインの吸収率は野菜由来のものより高いという報告もされています。ルテイン、
ゼアキサンチン、βクリプトキサンチン、このようなカロテノイドの体内移行率はオレンジ、キウイ、グレープフルーツはほぼ100%であったのに対して、ほうれん草とブロッコリーは19~38%であると報告されています。
ルテインは特に摂取量が不足しやすい栄養素であるとされていますが、野菜だけでなく果物からもとることができます。
中でも
キウイフルーツはビタミンCが多いだけでなくビタミンEやルテインが全てのフルーツの中で多く含まれています。
ビタミンCは水溶性のビタミンであるのに対してビタミンEは脂溶性のビタミンです。脂溶性のビタミンは脂質と馴染みやすいです。目で脂質が多いところは網膜
です。網膜の細胞膜を守る作用があります。
これらルテインなどのカロテノイドやビタミンC,Eは抗酸化物質です。キウイは目に必要な栄養素をたくさん含んでいます。
キウイフルーツといえば緑の果肉のキウイを思い浮かべる方が多いと思います。キウイはグリーンだけでなく果肉が黄色のゴールドキウイや、見た目はグリーンキウイそっくりなんですが、2cmほどの大きさしかないベビーキウイまたはキウイベリーというものがあります。それぞれ特徴があります。
ベビーキウイはあまり見かけない食材かもしれませんが、日本でも生産されています。ベビーキウイはベビーという名前がついているので、大きくなったら緑のキウイになるのかなと思われた方もいるかもしれませんが、キウイとは別物です。同じマタタビ属の果実ですがキウイとは別で近縁の果実とされています。サルナシという植物から実る果実がベビーキウイです。
ルテインはキウイの緑の果肉の部分に多く含まれています。グリーンキウイ
だと100gあたり400μg程度含まれていて、ゴールドキウイは150μg程度です。ではベビーキウイ
はというと100gあたり800μgも含まれています。グリーンキウイでも多くのルテインを含んでいるんですが、含有量の多さは実はベビーキウイが一番多いです。もう一つ特徴があってビタミンAの元であるβカロテンも多いです。グリーンキウイの4倍程度含まれています。ビタミンAは日本のような先進国ではあまり不足するビタミンではありませんが、ロドプシンという夜間視力を向上するホルモンの合成のためであったり、角膜や結膜といった粘膜の形成のために必要とされています。
他の栄養素はグリーンキウイとほぼ同等なんですが、ルテインとβカロテンが非常に多いというのがベビーキウイの特徴です。ルテインの含有量だけでみるとゴールドキウイは劣りますが、ビタミンCとEの含有量はグリーンキウイやベビーキウイより2倍適度含まれています。
ルテインなどのカロテノイドが多いのがベビーキウイやグリーンキウイ、ビタミンC,Eが多いのがゴールドキウイとなります。
ベビーキウイはあまり知られていない果実ですが、昔の人は薬用果実として食べられていて健康によい食材として知られていたようです。そのようなこともあってベビーキウイを使った実験が行われています。
つい最近発表された日本の岡山大学でされた報告だと、肺癌を抑制する効果がベビーキウイにあるのではないかと報告されました。
発癌モデルのマウスに対して水を与えたものとベビーキウイの果汁を与えたものに分けました。
水を与えたものは全てのマウスが癌を発症したのに対して、ベビーキウイの果汁を与えたもののうち約半数、15匹中7匹のマウスは悪性腫瘍を発症しなかったことが確認されました。
また、腫瘍が発症したマウスは、ベビーキウイの果汁を飲んだいた場合悪性度が低くて数も少なかったという結果だったんですね。
ベビーキウイに含まれるイソケルセチンというポリフェノールの1種に発癌抑制作用があるとされています。イソケルセチンにDNAの障害防止や修復促進による癌発症抑制効果があるのではないかと考えられています。
まだマウスによる実験の段階ですし、もちろんこれを食べれば癌にならない事が保証されるわけではんありません。
ただこのような抗酸化作用のある食事をとって、身体に害を与える食べ物、唐揚げなどに含まれるトランス脂肪酸であったり、精製された炭水化物、人工甘味料、添加物などを減らす事が大切だと考えられています。
キウイのようなフルーツにはビタミンCやE、ポリフェノールのような抗酸化物質がたくさん含まれています。
私自身はベビーキウイを食べた事はないんですが、甘味はグリーンキウイ以上にあって美味しいようです。中々手に入らない食材であることが残念ですが、ベビーキウイは可愛い見た目以上に色々な効能がありそうです。
今回の話しをまとめますと
①目を循環している房水にはビタミンCが大量に含まれています。
②フルーツは生で取れるので効率的にビタミンを摂取する事ができます。
③キウイは全てのフルーツの中でルテイン、ビタミンC、Eの含有量が多いです。
④ベビーキウイ、グリーンキウイ、ゴールドキウイの順でルテインやビタミンAの元であるβカロテンの含有量が多いです。
⑤ビタミンC,Eはゴールドキウイが多いです。
⑥ベビーキウイは肺癌を予防する可能性があります。
という6点です。キウイはこのように目にとって必要な栄養素がふんだんに含まれています。もちろん身体にもよくて①食物繊維が多いので、便秘の改善になるだけでなく大腸癌の予防効果もあるとされています。また、➁カリウムも多いので、高血圧やむくみの防止にもなります。③タンパク質分解酵素のアクチニジンが含まれていて、肉類の消化を促します。
砂糖を多く含んだ食事を摂られるのなら、間食にキウイやみかんといったものを摂られるをオススメします。今回は目にとってよいフルーツはどれかという事に関してお話させて頂きました。
(2023.2.13)