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16. 3歳時検診の重要性

小さいお子さまの初めての眼科検診に関してお話させて頂きます。産まれてからこの子ちゃんと目見えてるかな?と思ったことないでしょうか?産まれたての子はいきなり大人のようにみえるわけではありません。生後半年の間は黄斑という視力にとても大事なところがまだしっかり形成されていない関係でぼんやりとしか見えておらず、生後半年ぐらいである程度見えてきます。半年から1歳までの間は0.1ぐらい、1歳から2歳で0.2~0.4、3歳ぐらいで大人と同じ1.0ぐらい見えるようになると言われております。その後立体視とか見え方の深みがどんどん形成されていくわけです。3歳になって視力検査ができるようになると言われておりますので、実際は難しいのですが3歳になったら家で視力検査をすることになるんですね。ただ、これは多くのお母さんに言われますが、3歳児に視力検査をさせるのはとても難しいですと言われます。
家でやると集中が続かず中々難しいのだろうなと思います。さて、3歳児検診の意味は何でしょうか?両眼ともしっかり見えているかの確認を行うのですが、一番大事なのは弱視になっていないかを確認することなんです。弱視とは視力が正常に発達していない状態をいいます。適正な目に対する刺激を与えないと目の奥の脳に刺激が届かず視力がそだたないことがあるんです。例えば裸眼で0.1見えて眼鏡で1.5見える場合のように、通常眼鏡やコンタクトレンズをすれば矯正できるのですが、弱視の場合は裸眼で0.1みえて、コンタクトや眼鏡をしてもせいぜい0.2とか0.3ぐらいまでしかみえないもしくはあらゆる矯正方法をしても見え方がよくならないといった状態のことです。感受性の高い3歳ぐらいに弱視の発見を見過ごすと次に眼科の検診を受けるときは就学前検診や、その後の学校検診になりますのでだいぶ遅れてしまうんですね。発見が遅れた場合は生涯にわたり視力障害をおうことになってしまいます。そのためにも3歳児健診はとても大切なんです。弱視の発見は年齢が早ければ早いほど、視力が育っていく、すなわち回復する可能性は高いです。ただ視力の発達時期はだいたい10歳までが限界と言われているため、発見が遅くなるとどれだけ頑張っても視力がでない場合があります。現状は日本眼科学会の調査によると、実施率は95.8%に達するといわれております。ただやはり1部の人はこの検査をすり抜けてしまい、ある程度大きくなってから弱視ということが分かったという報告は結構あるんです。弱視の原因は屈折異常、斜視、白内障などの器質的疾患です。この中で一番多いのは屈折の左右差から生まれる不同視弱視です。片方の目はほぼ正視といって屈折値が正しいのに、片方の目が軽い遠視が残っているなどがありその目だけ視力が育っていなかったという場合があります。弱視の原因が斜視なら見た目から目の位置がなんかおかしいなって周りの大人が気づくと思いますが、屈折異常の不同視弱視に関しては外見上まったく分からないんですね。なので3歳になって実は片方の目が弱視だったということがわかる場合があります。この屈折検査は機械でやる事がほとんどなのですが、現在の検診では自宅で行うため行われておりません。現在の検診はひとまず視力表がみえていたらそれでオッケーとされております。2015年よりスポットビジョンスクリーナーという小さなお子さんでも怖がらずにたった数秒で分かる機械ができたんです。このフォットビジョンスクリーナーの特徴として1つは調節の介入が少ないということです。大人の場合は屈折検査するときは調節がほとんど入らないのですが、小さなお子さんだと調節力が強く、通常の屈折検査だと正確に測れないんですね。そのため、正確に図るためにアトロピンやサイプレシンという調節麻痺薬を使わないと正確なデータがでなかったんです。このひと手間が非常にお子さんには負担になります。調節麻痺薬を使うと、散瞳といって瞳が大きくなり数日ぼやけてみえてしまうんですね。また目薬もしみるので嫌がる事がほとんどです。このフォットビジョンスクリーナーという機械は1m離れたところから両眼目を開けて開放して検査を行います。この1㍍という距離は生理的に調節がかかりにくい距離なんです。調節が全くかからないというわけではないんですが、従来の屈折検査と比べると調節の介入は少ないです。その他の特徴として、乳幼児でも検査がスムーズに行える点です。小鳥のさえずりの音や点滅する光により見るところを誘導する仕組みになっています。検査も数秒で終わり、検査を受けている側も検査を受けている感じがしないと思います。異常を見つける力も今までの方法より強く非常に有用であると言われております。現状の就学時検診ではここまでの検査がありません。いずれこの方法が広がりスタンダードになるのではないかと予想しております。弱視の発見が遅れると視力はなおりませんし、心配ならこのような機械があるクリニックでまずは簡易検査を行うことが有用と思います。今回のお話をまとめますと、子供の視力の発育限界は10歳までであること、それまでに弱視といって視力が実は育っていなかった場合その後も視力が育たないことがあります。これを弱視といい弱視は年齢が早ければ早いほど早く改善しやすいです。産まれてはじめてやる眼科の検査は3歳時検診で行うものですが、これは家庭でやる検査であることが多く見逃されている場合があること。今だとフォットビジョンスクリーナーという簡単に目の状態がわかる簡易検査の方法があるので、この検査を受けて目の状態を把握することをおすすめします。という内容でした。よければご参考ください。


(2021.4.24)

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