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3. 近視人口急増加中!Myopia boom!

近視人口がここ数年で増え続けています。

これは日本だけでなく世界的に近視人口が増えているのですが、特に日本を含めたアジア諸国での近視人口がおおきくなっていることが今大問題となっております。

(指数関数的に近視人口がアジア圏で急増してます。アジア圏全体で80%が近視と言われています。)
今の若い子の実に8-9割の子が大人になるまでに近視になると言われています。こういった状態を,myopia boomと題名をつけて2015年のNatureというトップジャーナルすでに世界に警告をされておりますが、未だにあまり世間では浸透していないように思います。

(これは中国の写真です。青年のほとんどが眼鏡をしています。日々外来で近視人口が増えているのは実感しますが、日本はまだここまでではないと思います。)
前回のブログ”近視予防について”でもお話した通り、何故近視が問題かといいますと実は近視というのは眼球が大きく引き伸ばされた状態になり、それに伴い網膜剥離とか黄斑変性症とか緑内障とか眼科としては致命的な病気になってしまう可能性があがってしまうからなんですね。更に近視の度数が強いほどこの可能性は高まってしまいます。近視というのは若い時期にすすみ一般的には成長がとまった大人になってから近視が止まるので小さい頃の取り組みが非常に大切になります。

ただ、近視に関することで深刻に考えたことがある人は、少ないと思います。眼鏡やコンタクトレンズで矯正すれば見えるしたくさんの人がなっているからいいんじゃないの、私だけじゃないしと考えている方多くないですか。実をいうと恥ずかしながら眼科医になる前まで私も同じようなことを考えておりましたので、そう思われる方が多いのは何も不思議ではありません。医者であっても眼科には自信がないという先生もたくさんみかけますし、私も眼科医でなければこういったこともあまりよくわかっていなかったと思います。眼に関しては見えて当たり前であり私の周りの友人にコンタクトレンズや眼鏡をしている人は多くおり、逆に裸眼で生活してる人の方が珍しいです。自分だけじゃないしあまり心配はいらないだろうと考えておりました。そういったことで近視というもの自体あまり病気だという感覚がありませんでしたし、近視になるとどうなるかなんてあまり深刻に考えたことありませんでした。

さて、その近視ですが世界的に近視人口が増加しておりますが、これはもちろん小児の近視の増加によるものです。なぜアジア圏内でこれほど近視人口が増えているかは明確な理由はないのですが、ここ最近の環境の変化や生活スタイルの変化が言われております。ゲーム機の普及や受験加熱、高層ビルの建築等がすすみ公園など外で気軽に遊ぶ場所が減ったなど様々です。簡単に言うと”外で遊ぶ時間が減った”これが今の近視人口の増加につながっております。

シンガポールや中国などは国家対策として近視の治療に取り組んでおり、金銭的補助や屋外活動の啓蒙を行った結果なんと近視人口の増加が頭打ちした可能性があるという報告もあるぐらいです。

何も特殊なことをしているわけではなく、屋外活動を増加させて近視予防効果のあるバイオレットライトという太陽の光を浴びながら遊ぶといった生活改善をメインにしております。シンガポールでは政府から出された屋外活動推進ポスターで外で遊ぶようにすすめられており、また中国の小学校では教室内に太陽光がふんだんに入るように設計されております。

(シンガポールのポスターです。屋外活動を推進している内容が書かれています。)
屋外活動を増やすことで両親が近視であるにも関わらず、近視の発症を減らせた、逆に両親が近視でなくても屋外活動が減ったことで近視になってしまった、また本を読むなど近見作業が多くても屋外活動を増やすことで近視の発症が抑制されたなど報告はでております。それぐらい屋外活動の重要性を今言われております。近視は遺伝的要因があるのは間違いないと考えますが、屋外活動を増やすことで予防できる可能性は大いにあります。

その上で低濃度アトロピンの点眼、オルソケラトロジーといった近視抑制のコンタクトレンズも近視をコントロールする手段として有効と考えております。

屋外活動が重要と分かってきたため、国や政府を通してこのようなことがもっと広がればいいなと思っております。

いくら近視の予防といえ勉強する時間を短くしてくださいとはとても言えませんし、それは現実的ではありません。ただ窓を開けて勉強しながら太陽光を取り入れる方法であったり、机の位置を壁側に置かず、視界が吹き抜けるようにするなどして常に調節がかかった状態を避けるようにするなどちょっとしたことで家の中から気をつけたら出来る事があります。そういった自宅で簡単にできることを当院から発信できたらいいなとおもっております。


(2021.1.19)

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