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188.小豆 目との関係

小豆(あずき)を食べることによる目への健康効果

小豆というと甘くておいしいあんこ、あんパンや和菓子のイメージがあると思いますが、実は栄養価が高く、日本古来のスーパーフードです。

小豆はマメ科の植物の種子です。植物は種子を作って、子孫を増やしていきます。植物に育つための生命力が一粒一粒にぎゅっと詰まっています。そのため必要な栄養がバランスよく、たっぷりと含まれています。

栄養価の高さから、かつては漢方薬の材料として利用されてきたほどです。

今回は、小豆の栄養や目への健康効果についてお話しいたします。


小豆は低脂質・高タンパクで食物繊維の豊富な食品です。食物繊維やタンパク質、ビタミンB群、鉄やカリウムといったミネラル、サポニンやポリフェノールなど、さまざまな栄養素をバランスよく含んでいます。

小豆のよさは何と言ってもまずあの



にあります。小豆は赤色をしていますが、あの赤色は、ポリフェノールによるものです。ポリフェノールとは、ほぼすべての植物が持つ苦味や渋味、色素の成分のことです。花の色があれほど鮮やかで美しいのも、ポリフェノールの作用です。トマト、ブドウ、カボチャ、ニンジン、ナス、サツマイモ、ブロッコリー……さまざまな食べ物に色がついていますが、単に見た目だけを表しているわけではありません。植物自身が紫外線や害虫から身を守るためにあのように色づいています。

天然の色素は大切な栄養素が含まれている証で、栄養価が非常に高いです。


ポリフェノールというと赤ワインというイメージがあると思いますが、実は赤ワインの2倍ものポリフェノールが小豆には含まれています。

ポリフェノールは、高血圧、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病予防に期待されているので体にいいのですが、目にも重要な役割があります。

その理由が、主にポリフェノールがもつ強力な抗酸化作用です。


目は活性酸素の影響を非常に受けやすい臓器です。活性酸素とは簡単にいうと細胞をサビさせる悪い物質のことです。私たちの呼吸に必要な酸素から発生する物質で、身体の免疫機能を維持するよい働きがある一方で、増え過ぎると老化などの悪影響につながります。

目は寝ている時を除いて常に光刺激をうけています。特に紫外線は強力な酸化作用を持つため、活性酸素を発生させやすいです。白内障


は、水晶体のタンパク質が変性し、濁ることで起きますが、紫外線と明らかに関係があります


また目の奥にある網膜



は機能を維持するために酸素を大量に消費しています。大量に酸素を消費するということは、その過程で大量の活性酸素ができるので、他の臓器よりも酸化ストレスを受けやすい状態になります。

目の組織は非常に繊細で、一度ダメージを受けると回復が難しい場合があります。

酸化による影響は白内障や加齢黄斑変性症、緑内障、糖尿病網膜症など、様々な眼疾患の原因になります。ポリフェノールは、このような活性酸素から目を守る働きがあります。

また抗酸化作用があるだけでなく、血管を広げて血流を改善する効果もあります。緑内障の方にはポリフェノールをとることで血流を改善し緑内障の進行を緩やかにする可能性があるという報告もされています。目の組織への酸素や栄養素の供給を促して、目の機能を維持するのに役立ちます。

小豆は目の健康をサポートするポリフェノールが多いというのが特徴ですが、食物繊維も豆類の中では豊富に含まれているのも特徴になります。食物繊維は腸の中にいる善玉菌の餌となって、善玉菌を増やし、腸内環境を整えます。

そのため腸にいいです。でもそれは腸がよくなるだけで目とは関係がないと思う方もいるかもしれませんが、近年、腸内環境と全身の健康との関連性が注目されていて、目との関連性も様々報告されています。腸内環境が悪化すると、腸内に有害物質が増え、慢性的な炎症状態を引き起こします。この炎症が血流によって全身に広がることで、目への影響もでてきます。ぶどう膜炎や加齢黄斑変性症などの炎症性眼疾患のリスクを高める可能性が指摘されています。涙の分泌量を減らして、ドライアイを引き起こす可能性も指摘されています。小豆に含まれている食物繊維は、野菜の中では多いと言われているごぼうの4倍ぐらい入っています。そのため同じ食物繊維を摂取しようと考えた時には非常に効率的に摂れます。

小豆などの豆類、海藻類、野菜など、食物繊維が豊富な食品をとって腸内環境を整えることは目の健康維持にもつながることが期待できます。

また小豆は良質な植物由来のたんぱく源にもなります。タンパク質の優良性を示すアミノ酸スコアは、100点満点中 82点と非常に高いです。一般的に植物性タンパク質は、肉や魚のような動物性タンパク質に比べてアミノ酸スコアが低い傾向にあります。しかし、小豆は、穀物や他の豆類と比較して、アミノ酸スコアが非常に高いという特徴を持っています。これは、小豆は人間の体で合成できない9種類のアミノ酸(必須アミノ酸)をバランス良く含んでいるからです。アミノ酸スコアが高いということは、小豆のタンパク質が、私たちの体にとって非常に利用しやすいことを意味しています。タンパク質は筋肉の合成や修復に不可欠な栄養素です。肉や魚などの動物性タンパク質だけでなく、植物性タンパク質である小豆を食事に取り入れることで、バランスの取れた食事になります。

その他に小豆にはミネラル成分が多く含まれていますしビタミンB群も多く含まれています。

カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、銅も豊富でミネラルの含有量が多いのも特徴のひとつです。



不足しがちな亜鉛を摂取すると

日本人は慢性的な亜鉛不足の方が多いです。亜鉛は目の網膜にも多く含まれていて、網膜を保護する働きがあります。不足すると網膜へのダメージが増加する可能性があります。眼科的には、加齢黄斑変性症に対してはルテインやビタミンの摂取と同時に、亜鉛摂取が望ましいと言われております。これは米国の国立眼科研究所が、加齢黄斑変性の患者さんを対象に、大規模な臨床試験を実施したところ、ルテインやビタミンCやEに加え「亜鉛」も同時に摂取すると、加齢黄斑変性が進行するリスクが下がることが判明したからです。亜鉛は目の網膜の中心部である黄斑の健康維持に役立つ抗酸化ミネラルです。網膜を健康に保ち、紫外線から目を守る働きがあります。黒豆やインゲン豆など、多くの豆類に亜鉛と銅がバランス良く含まれています。

またビタミンB1、B2、B12などが豊富に含まれています。これらのビタミンは、視神経の働きをサポートし、目の疲れを軽減する効果があります。



小豆を食べるポイント

一般的に目によい食事というとほうれん草やブロッコリーなどルテインを豊富に含んだ緑黄色野菜、オメガ3脂肪酸のDHA、EPAを含んだ青魚、ビタミンEが多いナッツ、ビタミンCが多いキウイフルーツ、レモン、イチゴなどがよくあげられますが、小豆のような豆類も目の健康をサポートするためにおすすめです。


小豆を食べる際のポイントがいくつかあります。

小豆の栄養は実は皮の部分にたくさん詰まっています。ポリフェノールや食物繊維は皮の部分に集中しています。そのため皮を取り除くとせっかくの栄養が失われてしまいます。例えばこしあんとつぶあんを選ぶならつぶあんがいいです。つぶあんだと皮ごと食べることができるので、食物繊維などをたっぷり摂ることができます。こしあんだと皮を取り除いているため、食物繊維やポリフェノールは少なめです。あんこには砂糖が含まれているので摂りすぎはよくありませんが、つぶあんかこしあんか迷う事があればつぶあんを選ぶのがよいと思います。

小豆の皮は硬くて食べにくい場合、柔らかく煮込むことで食べやすくなります。野菜や鶏肉などと煮込むとより栄養が高まります。その際に、茹で汁も摂取することをおすすめします。小豆に含まれる栄養素は、多くが水溶性であり、茹で汁に溶け出すため、カリウムやサポニン、ポリフェノールなどがたっぷりと含まれています。



注意点

小豆は栄養満点で、様々な料理に使える素晴らしい食材ですが、いくつか注意すべき点があります。

どんなよい食品も食べ過ぎはよくありません。小豆の1日の摂取量は、厚生労働省は、豆類の摂取量の目標値を成人1日当たり100g以上と設定しています。小豆は大豆などのほかの豆類と合わせて1日に100g程度を食べるようにするのがいいと思います。

あんこも小豆なので栄養がありますが、砂糖が含まれているので血糖値が上昇する可能性があります。糖尿病の方や、糖質制限中の方は特に注意が必要です。またカリウムが多く含まれているため、腎臓病の方は担当の先生にご相談ください。


お正月いえば、おせち料理とともに、赤飯や煮豆、ぜんざいなど小豆を使った料理を目にする機会も多くなるのではないでしょうか。小豆の赤色は魔除けの意味があり、お正月には縁起の良い食べ物として親しまれています。小豆パワーを健康な毎日に役立ててみてはいかがでしょうか。


まとめ

  1. 小豆の皮にはポリフェノールが含まれています。
  2. 食物繊維も多く腸内環境によいです。
  3. アミノ酸スコアが高く質のよいたんぱく源です。
  4. ミネラルやビタミンB群も多く含まれています。
  5. 皮は栄養価が多いので皮つきを食べるようにしましょう。

という5点です。

小豆は栄養の点から健康へのメリットがありますが、ドライアイ症状がある方には、あずきのチカラなどのホットアイマスクで目の温活をすることもおすすめです。ドライアイは涙の量が少ないからと思われている方が多いですが、ドライアイの原因は実は多くは脂不足です。涙は水と脂で出来ていますが、脂がきちんと分泌しないことが影響しています。目の周りのを温めることで脂を出すマイボーム腺から油がスムーズに流れ、ドライアイの症状がよくなることがあります。いくら市販の目薬をさしても目の乾きが全然治まらないという方は乾燥する方はこのようなものを利用するのもよいと思います。


今回はあずきによる目への健康効果に関してお話しいたしました。

(2015.1.14)