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6. 外で遊ぶことが近視の進行抑制につながります!

近視抑制の話で低濃度アトロピンの点眼とオルソケラトロジーのお話をしました。今回はその第3段目です。近視抑制に関して1番大事で更にお金を使わずできる方法です。

題名の通り外で遊べば近視の進行が抑えられる!ということに関してお話させていただきます。

結論からいいますと近視の進行を抑えたければ毎日2時間以上外で遊びましょう!というとても簡単な事が近視抑制に効果大なんです。

外で遊ぶ事が近視の抑制につながる⁉いったいどういうことなのでしょうか?
実は最近になって近視の人口が増加している原因は生活環境の変化が主な原因といわれております。近視の原因には遺伝的要因、環境的要因とありますが、今注目されていることは現代の環境に対する変化です。2015年にNatureという世界的権威のある雑誌で「The myopia Boom」として取り上げられたように、これほどの短期間での近視人口の爆発的増加は遺伝的な影響だけでは説明できないからです。東京都内の最近の検査では、実に小学生の8割近くが近視で、中学生になると9割以上近視だったとデータがあるほどです。近視でない人の方が珍しい状態なのですね。この状況は日本だけではなく、世界的に近視人口が増加しておりますが、日本を含んだ東南アジアでは特に爆発的増加を認めております。なぜ、東南アジアを中心に爆発的に近視人口が増えているかは分かっていないのですが、近視は網膜剥離や黄斑変性症、緑内障といった目にとって致命的な病気への危険性があり現在早急な対策が求められております。

さて、近年子供を取り巻く環境は大きく変化しました。都市化がすすみ豊かな自然や手軽に遊べる外遊びの場が少なくなりました。私がこどもの頃は気軽に公園などに行き遊ぶことができましたが、現在は球技を禁止するなど細かな規則が付け加えられたこともあり、子供たちが気軽に外で遊べなくなっているところが多くなっていると聞きます。またわざわざ外にいかなくてもゲーム機やスマホ-トフォンの普及で外に行かなくても楽しめる環境が整っているわけです。受験勉強が過熱化し勉学に力をいれ小学生でも平日からでも塾に通うような子が増えてきました。

もちろん勉強することを否定するわけではありませんし、大事なことではあるのですが、それに伴い野外への外出時間が昔に比べて減少している状態が問題であると言われています。文献による報告によれば1950年代の小学生の平均外出時間は3時間半近くあったのに現在ではなんと平均30分ぐらいにまで減少しております。近視人口の爆発的な増加にはそういったライフスタイルや環境の変化が関係しているのではないかと考えられ、野外活動と近視の関係に関する研究はたくさん行われております。

例えば、海外の研究によると2時間以上の屋外活動をすると、たとえ両親が近視であっても近視の発症は優位に発症率が低下したと報告されておりますし、逆に両親が近視でないとしても屋外活動が一時間未満であれば近視になってしまうという報告があります。ここでいう屋外とは太陽が出ている時間に外に出ている時間をいうので屋外活動といっても体育館でやるような屋内スポーツは入っておりません。

なぜ、屋外活動が近視の抑制につながるのかは諸説ありますが、現段階では太陽光に含まれているバイオレットライトが近視の抑制につながっていると言われております。これは太陽光に含まれている360~400nmの波長なのですが、日本の慶応大学の研究で明らかになって世界的な大きな発見と言われている最新の話題です。この成分を含んでいる太陽光を直接みるわけではありませんが、太陽がさしてる間は出来るだけ外にでましょうということです。

先ほど屋内活動では近視の抑制にはつながらないというお話をしましたが、このバイオレットライトが室内ではUVカットの窓ガラスが標準になっている今ほぼカットされてしまっているため室内に入ってこないんですね。なので体育館でやるスポーツでバスケットボールやバトミントンよりも屋外でやる野球やサッカーの方が近視抑制効果が高いのではないかと考えられています。

こういったことは考えてみたらなるほどと思うことないでしょうか。例えば、野球選手やサッカー選手、もちろん全員が全員ではないですが小学生のときから野外スポーツをしている人は眼がいい人多くないですか?私の周りでも言われてみたら小学生からスポーツ少年団で屋外活動していた子は眼がいい印象があります。私自身は反面、当時は珍しかったのですが小学生から塾に通っておりスポーツ少年団とは無縁でしたので近視が進んだのかなと思いかえすと一致することがあります。

塾で勉強することや読書をすることはもちろん決して悪いことではなく続けてほしいなと思いますが、お子様のためにも勉強の合間は外にいって休憩する。ランチは公園でとってみる。家で勉強するときは目の前が壁でなくできるだけ、視線が抜けるような空間を作るなど細かいことに気を付け出来るだけ野外での時間を確保することが大切だと思います。

目標とする屋外活動は2時間ですが、長ければ長いほど読書やスマホのような近業作業の時間にかかわらず効果的だという研究もあり、小さいときから野外活動を意識することが大切だと思われます。もともと太陽を浴びるという行為のメリットは眼だけにとどまらないはずです。心身共にいい影響があるはずで、できるだけ外に元気に遊ぶということを意識することはいいことではないでしょうか。
実は近視抑制に何より大事なのは屋外活動と言われています。ポイントは屋外活動を少しでも増えるようにみんなで意識することです。太陽の光は紫外線を含んでおり、避けないければならないと昨今のイメージがあると思いますが、それは大人になってからでよさそうです。少なくとも成人になるまでは少しでも太陽を浴びながらの行動を増やしてほしいと思います。


(2021.2.1)