こんにちは、岐阜市の真鍋眼科・院長の真鍋です。
今回は、ブロッコリーが目の健康に与える影響についてお話しします。
2026年度から、ブロッコリーが農林水産省の「指定野菜」に追加されることになりました。
これは、栄養価が高く、健康志向の高まりにより消費が増えていることが背景にあります。
私は毎朝ブロッコリーを食べていますが、目にとっても非常に優れた栄養素を含む食材として、ぜひ皆さんにも知っていただきたいと思います。
ブロッコリーには**目の水晶体や網膜(特に黄斑)を守る抗酸化物質「ルテイン」**が含まれています。
・ルテインは紫外線やブルーライトによるダメージから目を守る「天然のサングラス」
・体内では合成できず、40歳以降は減少するため、食事からの補給が必須
・ブロッコリー100gあたり約1.9mg含有
(推奨摂取量:1日6mg以上)
つまり、100gのブロッコリーで1/3のルテインを補えるということです。
ブロッコリー100gには、ビタミンCが約140mgも含まれています。
これはレモンより多く、1日に必要な量(約100mg)をしっかりカバーできます。
・目の中の水晶体や角膜は血管がないため、房水(目の中の水)を通して栄養を受け取ります
・房水にはビタミンCが血中の20倍も含まれ、酸化ストレスから水晶体を守る重要な役割
年齢とともに房水中のビタミンC濃度が減少し、白内障の進行に関与しているとも考えられています。
スルフォラファンは、ブロッコリーに含まれる辛み成分の一種で、以下の効果が報告されています。
・がん予防効果(乳がん・前立腺がん・大腸がんなど)
・抗糖化作用:AGE(終末糖化産物)を減らし、目の老化を防ぐ
特に目の中でも水晶体は新陳代謝がほぼないためAGEが蓄積しやすく、白内障の原因になります。
また、網膜にもAGEの蓄積が加齢黄斑変性症のリスクに関係しています。
ブロッコリーには、もうひとつ注目すべき成分インドール-3-カルビノールも含まれています。
・強力な抗酸化作用があり、動物実験では網膜の炎症抑制効果が示されています
・網膜疾患(加齢黄斑変性など)への予防効果がある可能性も
まだマウス実験段階ですが、ブロッコリーの抗酸化力の強さを示す研究結果のひとつです。
ブロッコリーの効果を最大限に引き出すには、調理と食べ合わせが重要です。
✔ よく噛む・刻む
スルフォラファンは、ブロッコリーを噛む・切ることで酵素(ミロシナーゼ)が働き、有効成分に変化します。
→ 生や軽く加熱した状態で、よく噛むのがポイント。
✔ 加熱しすぎない
ミロシナーゼは熱に弱いので、茹でるよりも“蒸す”調理(5分程度)がおすすめ。
→ 電子レンジよりもスチーム調理が◎。
✔ 脂質と一緒に摂る
ルテイン・スルフォラファンは脂溶性なので、脂質と一緒に摂ると吸収率がアップ。
→ 卵や魚と一緒に食べると効果的(ルテインの吸収率が3〜8倍上がるという報告も)
ブロッコリーはビタミンKを多く含むため、ワルファリンなど抗凝固薬を服用している方は注意が必要です。
食事制限がある方は、必ず主治医と相談してください。
「目にいい食べ物は何ですか?」とよく聞かれますが、私はまずブロッコリーをおすすめしています。
目に良いだけでなく、がん予防・美容・代謝アップと全身の健康にも役立つ野菜です。
可能であれば、毎日100gのブロッコリーを食べる習慣を取り入れてみてください。