【猛暑で目が危ない?】35度超えの日に目のためにこれやって!

2025.07.31 白内障緑内障ブログ・症例実績

【猛暑で目が危ない?】35度超えの日に目を守る5つのポイント

こんにちは。岐阜市の真鍋眼科、院長の真鍋です。
連日の猛暑、体だけでなく“目”にも大きな負担がかかっていることをご存じでしょうか?

実は、35度を超えるような厳しい暑さの中では、「目も夏バテ」を起こすことがあります。
今回は、猛暑が目に与える影響と、その対策について、5つのポイントに分けてわかりやすく解説いたします。


目は体の中で唯一、むき出しの“臓器”です

目は、皮膚のようにバリアで覆われておらず、常に紫外線・高温・乾燥・脱水といった外部環境にさらされています。そのため、ダメージが蓄積しやすく、将来的な視力低下や眼病の原因になることも。

とくに猛暑日には、以下の5つのリスクに注意が必要です。


① 白内障:紫外線・高温・脱水が進行を早める

白内障は、水晶体という透明なレンズが白く濁る病気で、年齢とともに進行します。
しかし、「紫外線」「高温」「脱水」も、その進行に関与していることが近年の研究でわかっています。

・紫外線:水晶体のたんぱく質を変性させ、透明度を失わせます。紫外線の強い地域では白内障の発症年齢が10年ほど早いとの報告も。

・高温:体温上昇による代謝の乱れで、水晶体に“熱変性”が起こるリスクがあります。

・脱水:水晶体は血管がなく、房水という体液から栄養を受け取っています。脱水により代謝が滞り、老廃物が蓄積しやすくなります。

予防ポイント

・UVカット率99%以上のサングラスを使用(色の濃さではなくUVカット率で選ぶ)

・帽子・日傘で紫外線対策

・水分は1時間に200ml程度、数回に分けてこまめに


② ドライアイ:冷房の風と脱水が悪化要因に

夏はエアコンの使用が増え、目に直接風が当たることで涙が蒸発しやすくなります。
加えて、体の脱水により涙の“材料”そのものが減り、目が乾きやすくなるのです。

症状の例

・ゴロゴロする

・目がしみる

・涙が出ているのに乾いた感じがする(反射性流涙)

対策

・エアコンの風が目に当たらないように

・ドライアイ用の目薬を正しく使用

・パソコン・スマホ使用時は意識してまばたきを増やす


③ 点眼薬の保管:暑さで効果が落ちることも

猛暑日に注意したいのが、点眼薬の保管です。
点眼薬は高温で効果が落ちたり、菌が繁殖したりするリスクがあります。

特に注意が必要な例

・車内に置きっぱなし

・窓辺など高温になる場所

・バッグの中で何日も持ち歩き

保管のポイント

・室温保存=1〜30℃が法律上の範囲、理想は25℃以下

・冷房の効いた部屋か冷蔵庫での保管が安全

・外出時は断熱ポーチの使用を


④ 緑内障:脱水後の“がぶ飲み”が危険

緑内障の方にとって、猛暑時の水分補給は重要ですが、一気飲みは要注意です。
眼科では「飲水試験」という検査がありますが、短時間に多量の水を飲むと眼圧が急上昇する可能性が知られています。

眼圧上昇のメカニズム

  • 一気に水分を摂取 → 血中の浸透圧が変化

  • 目の中の房水が急に増える → 眼圧が上がる

水分補給のコツ

・1時間に150〜200mlを数回に分けて

・お茶・コーヒー・アルコールは利尿作用があるため水分補給には不向き

・水・麦茶・経口補水液が安心


⑤ 紫外線:角膜〜黄斑までダメージ

紫外線は皮膚だけでなく、目の奥まで届き、さまざまな病気のリスクになります。

主な紫外線による目の病気

・紫外線角膜炎(雪目):激しい痛み、充血、涙

・白内障:水晶体の濁りを加速

・翼状片:白目から黒目へ膜が伸び、視力障害の原因に

・加齢黄斑変性:網膜の中心部が障害され、視野の中心が見えづらくなる

注意点

・曇りの日でも紫外線の80%以上が届いています

・UVカット付きメガネ・サングラス・コンタクトレンズなどで対策を


まとめ:目にも“熱中症対策”を

猛暑が続く夏、体の健康だけでなく「目の健康」にも気を配りましょう。

目の老化は避けられませんが、日々の積み重ねで進行をゆるやかにすることができます。
この夏は「目の紫外線・乾燥・脱水・一気飲み対策」、ぜひ意識してみてくださいね。