【30cmにピントを合わせるなら】多焦点?単焦点?どっちがいいの?

2025.07.05 白内障ブログ・症例実績

今回は、白内障手術を考えている方からよくいただく質問
「30cmくらいの距離にピントを合わせたいなら、多焦点と単焦点どっちがいいの?」
について、分かりやすくお伝えします。

まず「30cmの距離」とは?

30cmというと、だいたいスマホを見る距離読書する距離です。
かなり近くの作業になりますね。
この「30cm」を裸眼でしっかり見たいかどうかは、レンズ選びの大きなポイントになります。


多焦点レンズは30cmも見えるの?

最近は「多焦点眼内レンズ」が人気です。
遠くも中間も近くも、ある程度ピントが合うので、
「メガネなしの生活を目指したい!」という方には魅力的な選択肢です。

ただし――
実は多焦点レンズは、30cmのような“かなり近い距離”は苦手なんです。

多焦点レンズでピントが合う近くの距離は、一般的に40cm前後
たとえば:

・PanOptix(パンオプティクス) → 40cm

・FineVision(ファインビジョン) → 40cm

・VivityやPure see → 50cmくらい(さらに遠い)

つまり、30cmになると――
✔ 見える人もいるけど、
✔ 基本は「ちょっとボヤける」「読書には老眼鏡が必要になる」
というケースが多くなります。

「多焦点だから近くも見えるはず!」と過信しすぎると、
「こんなはずじゃなかった…」という後悔につながることも。


確実に30cmを見たいなら、単焦点レンズの方が有力

一方で、どうしても「30cmを裸眼でしっかり見たい!」という方には、
単焦点レンズの方が向いています

単焦点レンズは、「遠く」「中間」「近く」のどちらかにピントを合わせるレンズです。

度数で言うと−2.5D〜−3.0Dの度数で合わせると、
ピッタリ30〜35cmにピントを合わせることができます。

✅ メリット

・30cmのスマホや読書が裸眼でクリアに見える

・コントラストが良く、自然な見え方

✅ デメリット

・遠くは必ずメガネが必要

・メガネなしでの運転や外出は難しい


どちらが自分に合っているの?


結論:あなたはどちらを優先したい?

30cmをどうしても裸眼で見たい!
単焦点レンズ(近方ピント合わせ)

30cmは多少ボヤけてもいい、できるだけメガネを使いたくない!
多焦点レンズ

ただし、多焦点レンズでも「30cmが見える」という方も確かにいらっしゃいます。
でも、基本的には「見にくい距離」だと考えておくのが安全です。
「見えたらラッキー」「確実に見たいなら別の方法も考える」という心構えが大切です。


最後に

白内障手術は、レンズ選びがとても重要です。
何を優先するか、どんな生活を送りたいかによって、ベストな選択は人それぞれです。

「こんなはずじゃなかった」とならないように、
しっかりシミュレーションして、自分に合ったレンズを選んでくださいね。

当院でも、丁寧にご相談にのっていますので、気軽にお声かけください。