緑内障なら知っておきたい生活習慣7選

2025.09.01 緑内障ブログ・症例実績

緑内障なら知っておきたい生活習慣7選

こんにちは、真鍋眼科の真鍋です。今回は「緑内障と生活習慣」についてお話しします。

緑内障は“超慢性疾患”と呼ばれ、一度診断されると 点眼治療が生涯にわたって続く病気 です。多くの患者さんから「目薬が大切なのは分かるけれど、普段の生活では何に気を付ければいいですか?」と質問をいただきます。

そこでこの記事では、緑内障と生涯上手に付き合っていくための生活習慣7つ を紹介します。


緑内障とは?基本の仕組み

緑内障は、眼圧が上昇するなどして 視神経に障害が起こる病気です。視神経はテレビのケーブルに例えられます。ケーブルが故障すると画面に映像が映らないように、視神経が障害されると脳に情報が届かず視野が欠けていきます。

治療の基本は眼圧を下げること。点眼薬、レーザー、手術などで 治療前から20〜30%の下降 を目標にします。眼圧が20mmHgなら、14〜16mmHgが目安です。

ただし緑内障のリスク要因は眼圧だけではありません。加齢、血流障害、酸化ストレス、ミトコンドリア機能障害なども関わります。そのため、生活習慣の改善も非常に大切です。


生活習慣① 早期発見と治療の継続

緑内障で失明する方の多くは、

  1. 発見が遅れる

  2. 治療を自己中断する
    この2点が原因です。

日本のデータでは、点眼を始めてから3カ月で3割、1年で4割、2年後には半分の方が治療をやめています。

しかし、治療を続ければ 99%は失明しない ことが分かっています。

健康診断で眼圧が正常でも油断できません。日本人に多いのは眼圧が正常な「正常眼圧緑内障」だからです。40歳を超えたら一度は眼科受診をおすすめします。


生活習慣② 禁煙

タバコは肺や心臓だけでなく、目にも大きなダメージを与えます。喫煙は眼圧を上げるだけでなく、加齢黄斑変性、ぶどう膜炎、網膜静脈閉塞症などのリスクを高めます。禁煙は目を守る第一歩です。


生活習慣③ バランスの良い食事

緑内障のリスクを下げる食品が報告されています。

・緑の葉物野菜(ほうれん草、小松菜、春菊など):硝酸塩が血流を改善し、発症リスクを20%以上軽減

・果物:1日3回以上食べると発症リスクを79%低下

・キウイフルーツ:ビタミンC・E、ルテインが豊富で抗酸化作用

加工ジュースよりも生の野菜や果物を丸ごと摂ることが大切です。


生活習慣④ 運動習慣

運動は血流を改善し眼圧も下げます。

・1日5,000歩のウォーキングで視野進行を10%抑制

・有酸素運動を週3回、30〜45分行うと眼圧を平均20%下げる

ただし注意点もあります。

・筋トレ時は息を止めない(胸腔内圧で眼圧が上昇)

・ヨガの逆立ちなど頭を下げるポーズは眼圧を大きく上げる

無理のない範囲で続けましょう。


生活習慣⑤ ステロイド薬に注意

ステロイドの長期使用は白内障や緑内障の原因になることがあります。眼圧が40mmHg以上に上がることもありますが、自覚症状は出にくいのが怖い点です。長期使用時は必ず眼科検査を受けるようにしてください。


生活習慣⑥ ストレスをためない

ストレスは自律神経を乱し、眼圧上昇や血流障害の原因になります。

おすすめは マインドフルネス瞑想
1日45〜60分で眼圧が5mmHg下がった報告もあります。苦手な方は 深呼吸(5秒吸って5秒吐く) でも効果があります。


生活習慣⑦ サプリメントの活用

補助的な方法としてサプリメントも検討できます。

・グラジェノックス(松樹皮+ビルベリー):抗酸化・血流改善・神経保護作用が報告

ビタミンB3(ニコチンアミド):治験段階ですが視神経保護の可能性あり

注意点は「ナイアシン」ではなく「ニコチンアミド(flush free)」を選ぶことです。


まとめ

緑内障と付き合うために大切な7つの習慣は以下の通りです。

  1. 早期発見と治療継続

  2. 禁煙

  3. バランスの良い食事

  4. 定期的な運動

  5. ステロイド薬に注意

  6. ストレス対策(瞑想・深呼吸)

  7. サプリメントの活用

これらを心がけることで、眼圧のコントロールに加え、進行を抑える効果が期待できます。


📕さらに詳しく知りたい方へ
私の著書「目に良い習慣の本」が2025年2月21日に発売されています。生活習慣と目の健康について幅広くまとめていますので、ぜひご覧ください。