こんにちは、真鍋眼科の真鍋です。
今回は「帯状疱疹が目に出たら、どのような症状が出るのか?」について詳しく解説します。
帯状疱疹と聞くと、体や顔にできるイメージを持たれる方が多いですが、実は 目にも発症 することがあります。しかも、放置すると視力を失う危険性もある非常に怖い病気です。
帯状疱疹は「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」が原因で起こります。
子どもの頃にかかる「水ぼうそう」のウイルスが、治った後も神経の中に潜み、免疫力が落ちたときに再び活動を始めるのです。
その結果、体の片側に赤い発疹と強い痛みを伴う水ぶくれが現れます。
日本では 年間60万人以上 が発症しており、特に50歳以上で多く見られます。
【帯状疱疹の特徴】
・発疹は体の片側だけに出る
・神経に沿って帯状に広がる
・強い痛みを伴う
特に注意が必要なのが 眼帯状疱疹 です。
三叉神経の中でも「眼神経」にウイルスが再活性化すると、額やまぶた、そして眼球そのものに炎症が起きます。
鼻の先に発疹が出る場合は要注意です。鼻の神経と眼の神経がつながっているため、目の奥までウイルスが侵入している可能性が高い ことを示します。
・まぶたの腫れや赤み
・白目の充血、まぶしさ
・神経痛のようなズキズキした痛み
・黒目(角膜)に傷 → 異物感や涙が止まらない
・奥まで炎症が広がるとぶどう膜炎、緑内障、視力低下
重症化すると網膜や視神経まで障害され、失明に至ることもあります。
眼帯状疱疹の治療で最も重要なのは 早期治療 です。
特に発症から 72時間以内 に抗ウイルス薬を開始することが、重症化や後遺症を防ぐ鍵になります。
【主な治療】
・抗ウイルス薬(バルトレックスなど)
・重症例では入院して点滴治療
・目の炎症には軟膏・点眼薬
・強い痛みにはリリカなどの鎮痛薬、神経ブロック
症状が治まった後も「帯状疱疹後神経痛(PHN)」が残ることがあります。
ピリピリ・ズキズキといった痛みが数ヶ月から数年続くこともあり、顔やまぶたに残ると日常生活に大きな支障をきたします。
これを防ぐためにも、やはり 早期治療 が大切です。
帯状疱疹は ワクチンで予防可能 です。
・不活化ワクチン(シングリックス)
50歳以上が対象、2回接種。予防効果90%以上で長期間持続。免疫が低い方にも接種可能。
・生ワクチン
1回接種で済むが、予防効果はやや劣り持続期間も短め。免疫力が低下している方には使用できない場合あり。
👉 白内障手術との兼ね合い
ワクチンは手術直前・直後は避け、手術の2週間以上前、または術後1か月程度経ってから が安心です。
・50歳以上
・糖尿病・高血圧などの慢性疾患がある
・抗がん剤や免疫抑制剤を使用している
・強いストレス、不眠、過労が続いている
次の症状がある場合はすぐに眼科を受診してください。
・額・鼻の先・まぶたの片側に発疹や水ぶくれ
・片側の目が赤く腫れる、かすむ、光がまぶしい
・顔の片側にズキズキする痛み
・鼻の先の発疹+目の異常(緊急サイン!)
・帯状疱疹は水ぼうそうウイルスの再活性化で起きる
・顔に出ると「眼帯状疱疹」となり、失明の危険がある
・発症から72時間以内に治療開始することが重要
・ワクチンで予防できるので、特に50歳以上は検討を
・鼻の先の発疹+目の異常はすぐに眼科へ
👁 帯状疱疹は、誰にでも起こり得る病気です。
「何かおかしい」と感じたら、その違和感を軽視せず、早めに眼科を受診してください。
真鍋眼科では、帯状疱疹をはじめ目のトラブル全般に対応しています。お気軽にご相談ください。