帯状疱疹が目に出たらどうなる?

2025.08.31 目の病気ブログ・症例実績

帯状疱疹が目に出たら?症状・治療・予防まで徹底解説

こんにちは、真鍋眼科の真鍋です。
今回は「帯状疱疹が目に出たら、どのような症状が出るのか?」について詳しく解説します。

帯状疱疹と聞くと、体や顔にできるイメージを持たれる方が多いですが、実は 目にも発症 することがあります。しかも、放置すると視力を失う危険性もある非常に怖い病気です。


帯状疱疹とは?原因と仕組み

帯状疱疹は「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」が原因で起こります。
子どもの頃にかかる「水ぼうそう」のウイルスが、治った後も神経の中に潜み、免疫力が落ちたときに再び活動を始めるのです。

その結果、体の片側に赤い発疹と強い痛みを伴う水ぶくれが現れます。
日本では 年間60万人以上 が発症しており、特に50歳以上で多く見られます。

【帯状疱疹の特徴】

・発疹は体の片側だけに出る

・神経に沿って帯状に広がる

・強い痛みを伴う


目に出る帯状疱疹「眼帯状疱疹」とは

特に注意が必要なのが 眼帯状疱疹 です。
三叉神経の中でも「眼神経」にウイルスが再活性化すると、額やまぶた、そして眼球そのものに炎症が起きます。

危険なサイン「ハッチンソン徴候」

鼻の先に発疹が出る場合は要注意です。鼻の神経と眼の神経がつながっているため、目の奥までウイルスが侵入している可能性が高い ことを示します。

主な症状

・まぶたの腫れや赤み

・白目の充血、まぶしさ

・神経痛のようなズキズキした痛み

・黒目(角膜)に傷 → 異物感や涙が止まらない

・奥まで炎症が広がるとぶどう膜炎、緑内障、視力低下

重症化すると網膜や視神経まで障害され、失明に至ることもあります。


治療法:発症から72時間が勝負

眼帯状疱疹の治療で最も重要なのは 早期治療 です。
特に発症から 72時間以内 に抗ウイルス薬を開始することが、重症化や後遺症を防ぐ鍵になります。

【主な治療】

・抗ウイルス薬(バルトレックスなど)

・重症例では入院して点滴治療

・目の炎症には軟膏・点眼薬

・強い痛みにはリリカなどの鎮痛薬、神経ブロック


帯状疱疹後神経痛(PHN)という後遺症

症状が治まった後も「帯状疱疹後神経痛(PHN)」が残ることがあります。
ピリピリ・ズキズキといった痛みが数ヶ月から数年続くこともあり、顔やまぶたに残ると日常生活に大きな支障をきたします。
これを防ぐためにも、やはり 早期治療 が大切です。


予防できる?帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹は ワクチンで予防可能 です。

・不活化ワクチン(シングリックス)
 50歳以上が対象、2回接種。予防効果90%以上で長期間持続。免疫が低い方にも接種可能。

・生ワクチン
 1回接種で済むが、予防効果はやや劣り持続期間も短め。免疫力が低下している方には使用できない場合あり。

👉 白内障手術との兼ね合い
ワクチンは手術直前・直後は避け、手術の2週間以上前、または術後1か月程度経ってから が安心です。


特に注意すべき人

・50歳以上

・糖尿病・高血圧などの慢性疾患がある

・抗がん剤や免疫抑制剤を使用している

・強いストレス、不眠、過労が続いている


サインチェックリスト

次の症状がある場合はすぐに眼科を受診してください。

・額・鼻の先・まぶたの片側に発疹や水ぶくれ

・片側の目が赤く腫れる、かすむ、光がまぶしい

・顔の片側にズキズキする痛み

・鼻の先の発疹+目の異常(緊急サイン!)


まとめ

・帯状疱疹は水ぼうそうウイルスの再活性化で起きる

・顔に出ると「眼帯状疱疹」となり、失明の危険がある

・発症から72時間以内に治療開始することが重要

・ワクチンで予防できるので、特に50歳以上は検討を

・鼻の先の発疹+目の異常はすぐに眼科へ


👁 帯状疱疹は、誰にでも起こり得る病気です。
「何かおかしい」と感じたら、その違和感を軽視せず、早めに眼科を受診してください。

真鍋眼科では、帯状疱疹をはじめ目のトラブル全般に対応しています。お気軽にご相談ください。