緑内障なら知っておきたい生活習慣

2025.08.01 緑内障ブログ・症例実績

緑内障を悪化させないために知っておきたい11の生活習慣

こんにちは。真鍋眼科の真鍋です。
今回は「緑内障を悪くしないために、知っておいていただきたい生活習慣」についてご紹介します。

緑内障は一度進行した視野障害を元に戻すことができない病気です。治療の基本は目薬によって眼圧をコントロールすることですが、それと同じくらい日々の生活習慣にも気を配ることが大切です。

1. 「視力がよい=目に異常なし」ではありません

健康診断などで「視力に問題がなければ目も大丈夫」と考えてしまいがちですが、緑内障は視力では見つかりません
発見のカギは「眼底検査」です。40歳を過ぎたら、定期的に眼科で眼底検査を受けましょう。

2. ストレスをためすぎない

ストレスによる血流低下が視神経に悪影響を及ぼすと考えられています。
緑内障の患者さんには真面目で神経質な方が多く、「緑内障気質」と呼ばれる傾向もあります。

・眼圧が少し高いだけで不安になる

・視野が進行していないか毎日チェックしてしまう

こうした気持ちはよくわかりますが、考えすぎは禁物です。治療はしっかり継続し、それ以外の時間は病気を意識しすぎないことも大切です。

3. 軽い運動を習慣に

ウォーキングや軽い筋トレなどの有酸素運動は緑内障の進行予防に効果があります。

・1日1000歩増やすごとに視野進行リスクが減少

・1日10分以上の筋トレも有効

無理せず、日常に取り入れやすい運動から始めましょう。

4. 寝る姿勢に注意

うつ伏せ寝や机に伏せて寝ることで目を圧迫すると、眼圧が上昇して緑内障を進行させる可能性があります。

特に硬い枕や腕で目を押さえつけて寝る癖がある方は要注意です。

5. 血圧が高すぎても低すぎても注意

・高血圧:動脈硬化による視神経の血流障害

・低血圧:目への血流が不足し、ああ視神経が酸欠状態に

血圧の薬を服用中で「ふらつき」「だるさ」などがある方は、主治医に相談して薬の調整を行ってください
自己判断で中断・増量は絶対にNGです。

6. フラマー症候群体質の方へ

①冷え性、②匂いに敏感、➂低血圧、④耳鳴り・不眠、⑤不眠・寝つきが悪い、 ⑥頭痛(片頭痛など)、 ⑦手足の発汗異常(汗をかきにくい、または多汗)、 ⑧感情やストレスの影響を受けやすい、 ⑨まぶしさや音に敏感(視覚・聴覚過敏)、 ➉やせ型(スリムな体型)、 ⑪疲れやすい、 ⑫集中力が高く、完璧主義傾向がある

3〜4個以上の症状が当てはまれば、「フラマー体質の可能性がある」と考えられます。特に、冷え性、匂いに敏感、低血圧、不眠などの自律神経系の異常を示す症状が重なっている場合は、体質的にフラマー傾向があるとされます。

こうした体質(フラマー症候群)は、正常眼圧緑内障のリスク因子です。特にこのタイプの方には、日光を浴びながらの軽い運動が推奨されます。

7. 強度近視・家族歴がある方

・家族に緑内障患者がいる

・過去に強度近視でレーシックを受けたことがある

このような方はリスクが通常の3倍以上あるといわれています。
レーシック後は視力が良くても、眼底検査でなければ異常を見逃してしまうことがあります。

8. ステロイド使用に注意

ステロイド点眼薬や軟膏、飲み薬、注射などは眼圧を上げる原因になります。若い方のほうが影響が出やすく、場合によっては眼圧が40以上になることも。

ステロイド使用中は月に1回は眼圧チェックを

9. 喫煙は百害あって一利なし

2022年の研究によると、喫煙者は非喫煙者に比べて緑内障の進行が2.2倍早いと報告されています。

緑内障治療中の方は、ぜひ禁煙を検討してください。

10. 歯を大切に

意外かもしれませんが、歯周病菌が視神経に悪影響を与える可能性があります。
歯磨き・フロスを徹底し、定期的な歯科受診も欠かさないようにしましょう。

11. 正しい目薬の差し方を守る

目薬の効果をきちんと出すためには差し方がとても重要です。

・差した後にすぐ瞬きしない、最低1分間閉眼する

・点眼後に 鼻のつけ根を軽く押さえる(薬が全身に回らないように)

・2種類以上あるときは5分間隔を空ける

・目薬の先が目に触れないように

・点眼は1回1滴でOK

置き場所を工夫して「忘れない仕組み」をつくることも大切です。


緑内障とうまく付き合うために

緑内障は、早期発見と適切な治療の継続で視力を保てる病気です。
「もう見えなくなるんじゃ…」と不安になる方も多いですが、正しく向き合えば失明のリスクは大きく下げられます。

今回ご紹介した11の生活習慣は、いずれも難しいことではありません。
「できることから少しずつ」始めてみましょう。