緑内障で「中心の視野」が悪くなりやすい人の特徴と、やるべき対策

2026.02.05 緑内障ブログ・症例実績

緑内障で「中心の視野」が悪くなりやすい人の特徴と、その対策

緑内障は、視野が少しずつ欠けていく病気ですが、初期から中期にかけては自覚症状が出にくいことが特徴です。
多くの方が、かなり進行するまで気づかない理由は、多くの緑内障では視野の周辺から障害が始まるためです。

視界の外側から少しずつ欠けていくため、日常生活では違和感を自覚しにくいです。
しかし注意しなければならないのが、視野の障害が中心に近づいてきた場合や、最初から中心付近が障害されるタイプの緑内障です。

視野の中心部分は、文字を読んだり、人の顔を認識したりと、日常生活に直結する非常に重要な部分です。
そのため、中心視野を守ることは、緑内障の経過をみるうえで欠かせない重要なポイントになります。

今回は、

・中心の視野が悪くなりやすい緑内障の特徴

・それを防ぐためにできる対策

について、わかりやすく解説します。


緑内障とはどんな病気か

緑内障は、主に眼圧の影響によって視神経がダメージを受け、その結果として視野が欠けていく病気です。

典型的な緑内障では、視野の欠損は鼻側から始まり、中心を避けるように周辺から広がっていき、やがて盲点とつながっていきます。


これを「ブエルム暗点」と呼び、緑内障に特徴的な視野障害の出方です。

ここで大切なのは、視野は、どこが欠けるかによって影響の大きさが全く違うという点です。

視野の端が欠けている場合と、中心が欠けている場合では、生活への影響が大きく異なります。
特に重要なのが、今回のテーマである視野の中心部分です。


視野の中心=黄斑の役割

視野の中心は、目の奥にある「黄斑」という部分に対応しています。黄斑は視力の中心で、本を読んだり細かい作業をしたりする際に使われます。

私たちは本を読んでいるとき、文字全体を一度に見ているように感じますが、
実際に目を動かさずに見える文字は、せいぜい前後3~4文字程度です。

目を細かく動かしながら、常に黄斑にピントを合わせることで、私たちは文字を認識しています。
それほど黄斑は重要な役割を担っています。

緑内障はある程度進行しても、中心部分が保たれていれば、視力が1.0出ることも珍しくありません。
そのため、視野がかなり欠けていても自覚症状がないことがあるのです。


中心から障害が出やすい緑内障のタイプ

ところが中には、最初から中心に近い部分から障害が出る緑内障があります。
このタイプは生活への影響が出やすく、より慎重な管理が必要になります。

① 正常眼圧緑内障の方

実は日本人に多い正常眼圧緑内障は中心からの障害が出やすいタイプの緑内障です。
眼圧が正常範囲であっても視神経が障害されるタイプで、比較的早い段階から中心視野に異常が出ることがあります。

その理由として考えられているのが、視神経の血流の不安定さです。
正常眼圧緑内障では、「乳頭出血」と呼ばれる小さな出血が起こりやすく、これは血流が不安定になっているサインと考えられています。

特に、黄斑に近い神経はエネルギー消費が大きいため、血流の影響を受けやすく、
その結果、周辺視野より先に中心視野が障害されることがあります。


② 強度近視の方

強度近視の方も、中心視野が障害されやすいことが知られています。
強度近視では眼球が前後に長くなり、視神経や網膜が引き伸ばされた状態になります。

その結果、構造的に弱くなり、網膜剥離だけでなく、緑内障によるダメージも受けやすくなります。

特に、黄斑に近い神経が影響を受けやすく、緑内障の初期から中心に近い部分が障害されるケースがあります。


③ 10-2視野検査を行っていない方

緑内障の経過観察では視野検査が重要ですが、多くの方が受けている24-2や30-2視野検査は、全体を見る検査です。

24-2視野検査では検査点が54点ありますが、黄斑を評価している点はわずか4点程度しかありません。

一方、10-2視野検査は中心視野を詳しく調べる検査で、黄斑部に多くの検査点が配置されています。

中心視野は視力と直結するため、中心障害が疑われる方や進行例では、10-2視野検査が非常に重要です。

ただし、この検査はすべての眼科で ルーティンで行われているわけではありません。


中心視野を守るためにできること

① 40歳を超えたら定期検査を

特に強度近視の方は、症状がなくても年に1回の眼科検査をおすすめします。
視力検査だけでは、中心視野の障害は見つかりにくいことがあります。


② 片目ずつ見え方を確認する習慣

月に1回でもよいので、片目ずつ新聞やスマートフォンの文字を見て、欠けや歪みがないか確認しましょう。

アムスラーチャートを使うのも有効です。


③ 中心視野の検査を受けているか確認する

緑内障で通院中の方は、「中心の視野も評価してもらえているか」を一度確認してみてください。


④ 血流を下げすぎない生活を

極端なダイエット、脱水、過度な低血圧は、視神経の血流を悪化させる可能性があります。

血圧の薬で下がりすぎている場合もあるため、めまいやふらつきがある方は主治医に相談してください。


⑤ 葉物野菜を意識した食事

ほうれん草・小松菜・チンゲン菜など硝酸塩を多く含む野菜をよく摂取している人は、
中心視野障害型の緑内障のリスクが約30%低かったという報告があります。


まとめ

・強度近視の方は年1回の定期検査

・片目ずつ見え方を確認する

・10-2視野検査は中心障害の評価に重要

・血流を下げすぎない生活を心がける

・葉物野菜を意識した食事を

緑内障では「眼圧」だけでなく、視野がどこから障害されているかが非常に重要です。

中心視野を守るために、ぜひ今回の内容を日常生活や通院の参考にしてください。