2025年8月、新しい緑内障・高眼圧症治療薬として セタネオ®点眼液0.002%(一般名:セペタプロスト) が日本で承認されました。
これまでの点眼薬に加え、治療の選択肢が増えたことは患者さんにとって大きな朗報です。
セタネオ®は、緑内障や高眼圧症で上がってしまった眼圧を下げるためのお薬です。
製造販売は参天製薬が行い、創製は小野薬品工業によるものです。
1日1回、片目につき1滴の点眼で効果を発揮します。特に夜に点眼するよう指導されることが多く、シンプルで続けやすい点が特徴です。
セタネオ®は従来の薬(ラタノプロストなど)が主に FP受容体 に作用するのに対し、FP受容体+EP3受容体 に働きかけます。
試験ではラタノプロストと「同等」とされましたが、これは「FP作動薬として十分に標準治療に匹敵する効果がある」ことを示したものです。
新しい作用経路を持つ薬が登場したことは、今後の併用や代替治療の幅を広げる可能性につながります。
国内で行われた大規模な試験では、既存薬と比べて同等の眼圧下降効果が確認されました。
また、1年間の長期投与でも安定した眼圧コントロールが得られており、緑内障の進行抑制に役立つと考えられています。緑内障は個人差が大きく、「ある薬が効きにくい人」「副作用で使えない人」がいます。
セタネオ®は同等の効果を持ちながら、異なる受容体にも作用するため、他の薬で効果不十分な人に効く可能性があります。
つまり、「効きにくい患者さんへの第2の選択肢」として候補にあがります。
使用中に起こり得る副作用としては、以下のようなものがあります。
・結膜の充血
・虹彩の色が濃くなる(色素沈着)
・まつ毛が長くなる、太くなる
・まぶたの皮膚の色調変化
特に虹彩の色素沈着は元に戻らない場合があるため、気になる症状があれば必ず主治医に相談してください。
はい、使えます。
セタネオ®は「緑内障や高眼圧症における眼圧下降」を目的とした薬で、眼内レンズが入っている目にも使用可能です。
ただし、白内障手術直後の時期(炎症が残っている時期)や、黄斑に病気がある方では慎重に使う必要があります。使用開始のタイミングは主治医と相談してください。
セタネオ®は既存薬と同等の眼圧下降効果を持ちつつ、新しい作用の仕組みを持つ薬です。次のような方に検討する価値があります。
・現在の点眼薬で眼圧が十分に下がらない方
・副作用や刺激感で他の薬が使いにくい方
・新しい作用経路を持つ薬を試してみたい方
・1日1回の点眼で続けやすい薬を希望する方
従来の薬は主に「FP受容体」に作用しますが、セタネオ®は「FP受容体」に加えて「EP3受容体」にも作用します。
この新しい仕組みにより、異なるタイプの患者さんでも効果が期待できる可能性があります。
代表的なものは以下です。
・結膜の充血
・虹彩(黒目)の色が濃くなる(色素沈着)
・まつ毛が長くなる、増える
・まぶたの皮膚が黒ずむ
特に虹彩の色素沈着は元に戻らない場合がありますので、点眼を続けるかどうかは医師と相談しながら判断してください。
・セタネオ®は2025年に承認された新しい緑内障・高眼圧症治療薬
・1日1回のシンプルな点眼で眼圧を下げる
・新しい作用の仕組みを持ち、長期使用での効果も確認されている
・副作用には注意が必要だが、治療選択肢の幅が広がるのは大きなメリット
緑内障は自覚症状が乏しく、放置すると視野が少しずつ欠けていきます。
新しい薬の登場により、患者さん一人ひとりに合った治療法を選びやすくなりました。「既存の薬で効果が十分でない方」や「新しい作用機序の薬を試したい方」にとって、治療の幅を広げる選択肢となり得ます。尚、発売は年末あたりになる見込みとのことです。