緑内障におすすめのコーヒーはこれ! 2025.08.17 緑内障ブログ・症例実績 緑内障にやさしいコーヒーの楽しみ方 「コーヒーって目に悪いのでは…?」という不安、よく聞きます。実は、飲み方や選び方を少し工夫すれば、コーヒーは目にもやさしい相棒になり得ます。近年の日本の大規模研究(長浜スタディ)では、コーヒーをよく飲む人ほど眼圧が少し低いという結果も出ています(緑内障のない人での傾向)。コーヒー習慣と緑内障発症リスクの低下が“そのまま直結する”とは言い切れませんが、「適量で、上手に」楽しむ価値はありそうです。 深煎りコーヒーが“目にやさしい”と言える理由 1) 深煎り→ナイアシンアミド(ビタミンB3)が増える コーヒー豆にはトリゴネリンという成分があり、焙煎で分解されてナイアシン(ニコチン酸)/ナイアシンアミドに変わることが知られています。焙煎が進むほどナイアシン量は増えやすく、抽出温度が高いほどカップへの移行量も増えます。つまり、深煎り×通常のホット抽出は、ナイアシンを取り込みやすい条件です。 ・ナイアシン/ナイアシンアミドは神経のエネルギー代謝を支える栄養素。視神経を“元気に保つ”方向で注目されています(サプリとして研究が増えていますが、ここでは食品由来の話にとどめます)。 ・抽出はホットが基本。アイスにする場合も一度ホットで淹れてから急冷だとナイアシンの抽出効率は保ちやすいです。 2) カフェインとのバランスのとり方 カフェインは短時間の眼圧上昇が指摘される一方、長期の習慣として見ると必ずしも不利ではない、という報告もあります。遺伝的に眼圧が上がりやすい体質の方は高用量カフェインで不利になる可能性が示唆されるため、“量と体質の見極め”がカギです。まずは1日2~3杯を目安に、寝る前は避ける——この“やさしい”ルールから始めてみましょう。 アレンジで“さらにやさしい”一杯に シナモンをひと振り シナモンには抗酸化や糖代謝のサポートが期待され、食後血糖の安定に寄与する可能性が示されています。小さじ1/4~1/2ほどを目安に、まずは香りづけから。カシア種の大量摂取は避ける(クマリンの観点)ため、日々の量は控えめで十分です。 MCTオイルを小さじ1から 中鎖脂肪酸(MCT)は消化吸収が早く、ケトン体を通じて脳・神経のエネルギー源になりやすいのが特長。コーヒーに小さじ1から加えると、頭がぼんやりする朝の立ち上がりを助けてくれる方もいます。最初は胃もたれ対策に少量からがおすすめです。 グラスフェッドバターでまろやかに グラスフェッド(牧草飼育)由来のバターは、脂溶性ビタミン等が比較的豊富。コクが出て飲みやすくなるので、砂糖を減らしたい方にも好評です。もしコレステロール管理中なら量は控えめで。 レシピ例 ・深煎りホット+シナモン:ドリップ1杯にシナモン少々。 ・MCTラテ:深煎り1杯にMCT小さじ1、よく撹拌。慣れたら小さじ2に。 ・バターコーヒー:深煎り1杯にグラスフェッドバター小さじ1/2~1。初回は少量で様子見。 長浜スタディが示した「眼圧」とコーヒーの関係 日本の一般住民を対象にした長浜スタディでは、「コーヒーをよく飲む人ほど眼圧が少し低い」という関連が示されました(緑内障のない方での検討)。この研究は因果関係の証明ではなく“関連”の発見であり、緑内障の発症・進行を直接抑えると断定はできませんが、「適量のコーヒーは眼圧の面で大きな不利はなさそう」という安心材料になります。 よくある質問(やさしくQ&A) Q1. どのくらい飲んでいい?A. まずは1日2~3杯から。夜は睡眠の質を守るため就寝6~8時間前は控えるのが安心です。 Q2. 深煎りと浅煎り、どっちがいい?A. ナイアシンを意識するなら深煎りが有利。風味はお好みでOKですが、目を労わる観点では深煎り+ホット抽出が分かりやすい選択です。 Q3. アイスでもいい?A. 可能なら一度ホットで抽出して急冷がベター。コールドブリューでもナイアシンは出ますが、ホットの方が移行量はやや多めと報告されています。 Q4. カフェインに敏感で動悸が出る…A. その場合はカフェイン量を減らす・デカフェを混ぜるのがおすすめ。体質や持病(不整脈・胃腸症状など)がある方は主治医に相談してください。カフェインと眼圧の関係は“量と体質で揺れる”ため、無理をしないのがいちばんです。 今日からできる“やさしいコーヒー習慣”チェックリスト □ 深煎り豆を基本にする(ナイアシンを意識) □ ホット抽出が基本(ナイアシンが出やすい) □ シナモンは少量から(香り+抗酸化の後押し) □ MCTは小さじ1から(胃もたれ対策) □ 1日2~3杯を目安に“おいしく・無理なく おわりに コーヒーは、選び方と飲み方しだいで目にもやさしい毎日の習慣になれます。まずは深煎り×ホット、香りづけにシナモン、朝の一杯にMCTを少し——そんな小さな一歩から始めてみませんか。長浜スタディのような研究も「上手につき合えば怖くない」ことを後押ししてくれています。 一覧へもどる
「コーヒーって目に悪いのでは…?」という不安、よく聞きます。実は、飲み方や選び方を少し工夫すれば、コーヒーは目にもやさしい相棒になり得ます。近年の日本の大規模研究(長浜スタディ)では、コーヒーをよく飲む人ほど眼圧が少し低いという結果も出ています(緑内障のない人での傾向)。コーヒー習慣と緑内障発症リスクの低下が“そのまま直結する”とは言い切れませんが、「適量で、上手に」楽しむ価値はありそうです。 深煎りコーヒーが“目にやさしい”と言える理由 1) 深煎り→ナイアシンアミド(ビタミンB3)が増える コーヒー豆にはトリゴネリンという成分があり、焙煎で分解されてナイアシン(ニコチン酸)/ナイアシンアミドに変わることが知られています。焙煎が進むほどナイアシン量は増えやすく、抽出温度が高いほどカップへの移行量も増えます。つまり、深煎り×通常のホット抽出は、ナイアシンを取り込みやすい条件です。 ・ナイアシン/ナイアシンアミドは神経のエネルギー代謝を支える栄養素。視神経を“元気に保つ”方向で注目されています(サプリとして研究が増えていますが、ここでは食品由来の話にとどめます)。 ・抽出はホットが基本。アイスにする場合も一度ホットで淹れてから急冷だとナイアシンの抽出効率は保ちやすいです。 2) カフェインとのバランスのとり方 カフェインは短時間の眼圧上昇が指摘される一方、長期の習慣として見ると必ずしも不利ではない、という報告もあります。遺伝的に眼圧が上がりやすい体質の方は高用量カフェインで不利になる可能性が示唆されるため、“量と体質の見極め”がカギです。まずは1日2~3杯を目安に、寝る前は避ける——この“やさしい”ルールから始めてみましょう。 アレンジで“さらにやさしい”一杯に シナモンをひと振り シナモンには抗酸化や糖代謝のサポートが期待され、食後血糖の安定に寄与する可能性が示されています。小さじ1/4~1/2ほどを目安に、まずは香りづけから。カシア種の大量摂取は避ける(クマリンの観点)ため、日々の量は控えめで十分です。 MCTオイルを小さじ1から 中鎖脂肪酸(MCT)は消化吸収が早く、ケトン体を通じて脳・神経のエネルギー源になりやすいのが特長。コーヒーに小さじ1から加えると、頭がぼんやりする朝の立ち上がりを助けてくれる方もいます。最初は胃もたれ対策に少量からがおすすめです。 グラスフェッドバターでまろやかに グラスフェッド(牧草飼育)由来のバターは、脂溶性ビタミン等が比較的豊富。コクが出て飲みやすくなるので、砂糖を減らしたい方にも好評です。もしコレステロール管理中なら量は控えめで。 レシピ例 ・深煎りホット+シナモン:ドリップ1杯にシナモン少々。 ・MCTラテ:深煎り1杯にMCT小さじ1、よく撹拌。慣れたら小さじ2に。 ・バターコーヒー:深煎り1杯にグラスフェッドバター小さじ1/2~1。初回は少量で様子見。 長浜スタディが示した「眼圧」とコーヒーの関係 日本の一般住民を対象にした長浜スタディでは、「コーヒーをよく飲む人ほど眼圧が少し低い」という関連が示されました(緑内障のない方での検討)。この研究は因果関係の証明ではなく“関連”の発見であり、緑内障の発症・進行を直接抑えると断定はできませんが、「適量のコーヒーは眼圧の面で大きな不利はなさそう」という安心材料になります。 よくある質問(やさしくQ&A) Q1. どのくらい飲んでいい?A. まずは1日2~3杯から。夜は睡眠の質を守るため就寝6~8時間前は控えるのが安心です。 Q2. 深煎りと浅煎り、どっちがいい?A. ナイアシンを意識するなら深煎りが有利。風味はお好みでOKですが、目を労わる観点では深煎り+ホット抽出が分かりやすい選択です。 Q3. アイスでもいい?A. 可能なら一度ホットで抽出して急冷がベター。コールドブリューでもナイアシンは出ますが、ホットの方が移行量はやや多めと報告されています。 Q4. カフェインに敏感で動悸が出る…A. その場合はカフェイン量を減らす・デカフェを混ぜるのがおすすめ。体質や持病(不整脈・胃腸症状など)がある方は主治医に相談してください。カフェインと眼圧の関係は“量と体質で揺れる”ため、無理をしないのがいちばんです。 今日からできる“やさしいコーヒー習慣”チェックリスト □ 深煎り豆を基本にする(ナイアシンを意識) □ ホット抽出が基本(ナイアシンが出やすい) □ シナモンは少量から(香り+抗酸化の後押し) □ MCTは小さじ1から(胃もたれ対策) □ 1日2~3杯を目安に“おいしく・無理なく おわりに コーヒーは、選び方と飲み方しだいで目にもやさしい毎日の習慣になれます。まずは深煎り×ホット、香りづけにシナモン、朝の一杯にMCTを少し——そんな小さな一歩から始めてみませんか。長浜スタディのような研究も「上手につき合えば怖くない」ことを後押ししてくれています。