次世代の多焦点眼内レンズ「ギャラクシー」!他のレンズとどう違う?

2025.08.07 白内障ブログ・症例実績

AIが設計したスパイラル型多焦点眼内レンズ「ギャラクシー」の特徴と他レンズとの違い

白内障手術では、水晶体の代わりに「眼内レンズ(IOL)」を挿入します。
その中でも、遠くから手元までピントが合う多焦点眼内レンズは、老眼の悩みからも解放されたい方に人気があります。

今回は、スパイラル型の構造を持つ最新レンズ「ギャラクシー(Galaxy)」をご紹介します。
さらに、人気の多焦点レンズであるパンオプティクス(PanOptix)やビビティ(Vivity)との比較も交えながら、
どんな人に向いているのかをわかりやすく解説していきます。


1. 「ギャラクシー」とは?スパイラル構造+AI設計の次世代レンズ

「ギャラクシー(Galaxy)」は、イギリスの眼科メーカーRayner(レイナー社)が開発したスパイラル型の多焦点眼内レンズです。

従来の多焦点レンズは同心円状に回折構造が並んでいましたが、ギャラクシーでは光を分ける構造がらせん状(スパイラル)になっています。
さらにこの設計は、AI(人工知能)によって最適化されているのが最大の特徴です。

スパイラル構造のメリット

・ハロー・グレアが少ない(夜間のまぶしさ軽減)

・焦点移行がなめらかで自然

・光エネルギーのロスが少なく、コントラスト感度に配慮

日常生活における「自然で快適な見え方」を重視した設計です。


2. どの距離が見える?パンオプティクス・ビビティと徹底比較

眼内レンズの性能は、どの距離までピントが合うか=加入度数と焦点距離で大きく変わります。
以下の表で、「ギャラクシー」「パンオプティクス」「ビビティ」の違いをまとめます。

✅ 加入度数と見え方の距離比較表


3. 見え方の違いを具体的に解説

◉ パンオプティクスとの違い(近方に強い vs バランス重視)

・パンオプティクスは、3焦点型で40cmの近方視力が特に優れているため、読書や手作業など手元を重視する方に最適です。

・一方のギャラクシーは、焦点がやや後方に設定されており、45〜50cmの距離が快適。スマホやタブレット、料理、パソコンなど中近距離を見る生活に合います。

👉「本を裸眼で読めるようにしたい」ならパンオプティクス。
👉「手元もそこそこ見たいが、夜間の見え方や中間距離の快適さを重視したい」ならギャラクシーが有力です。


◉ ビビティとの違い(焦点深度型 vs 多焦点)

・ビビティは、焦点を1点ではなく前後に「ぼかして伸ばす」EDOF型(焦点深度拡張型)です。
 そのため、遠方〜中間距離(〜50cm程度)までは比較的見えますが、読書など40cm以下の手元作業には老眼鏡が必要になることが多いです(※個人差あり)。

・ギャラクシーは、多焦点型で45〜50cmまでしっかり焦点が合うため、ビビティよりも近方視力が強いという明確な違いがあります。


4. ギャラクシーはどんな人におすすめ?

以下のような方には、ギャラクシーが特に適しています:

・夜間の運転が多く、ハロー・グレアを最小限に抑えたい

・スマホやパソコン作業が多く、中間距離の見え方を重視したい

・手元もある程度は裸眼で対応したいが、バランスのとれた見え方を求める

逆に、読書や裁縫など40cmの近方作業が中心という方は、パンオプティクスの方が適することがあります。


5. 保険適用は?費用について

現在、「ギャラクシー」は選定療養対象外のため、手術とセットで使用する場合は自由診療となります。
費用は施設によって異なりますが、一般的には両眼で数十万円〜が目安です。
事前に医療機関での確認が必要です。

当院の場合:

ギャラクシー(乱視なし)533.000円(税込) ギャラクシー(乱視あり)633.000円(税込)

(上記金額に手術代・薬代・術前後の診察が含まれています。)


まとめ:ギャラクシーは“見え方の質”にこだわる人向けの次世代レンズ

AI設計 × スパイラル構造のギャラクシーは、これまでの多焦点レンズとは一線を画す次世代型の眼内レンズです。
遠く・中間・近くの見え方のバランスが良く、特に「自然なピント移行」と「夜間の快適さ」が大きな特徴です。

多焦点眼内レンズは、それぞれに得意・不得意があるため、自分の生活スタイルに合った選択が最も大切です。
白内障手術をご検討の方は、眼科専門医とよく相談しながら、最適なレンズを一緒に選んでいきましょう。