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114. 毎日卵を食べると… こうなります!!

今回は目のために毎日1個食べたい食材に関してお話させて頂きます。目にとってよい食材ってどのようなものを思い浮かべますか?一昔前はブルーベリーが目に良いというような宣伝が多くされていたので目によい食材といえばブルーベリーと言われる方が多いかもしれません。今だとルテインが目によいという事が広がってきたのでサプリメントなどでルテインをとっている患者さんが増えてきたなという実感があります。実際ルテインは目にとってよいという報告が多くされています。代表的なものは米国で行われたAREADSという大規模な研究が立証しています。ルテインを中心とした抗酸化物質をとることで加齢黄斑変性や白内障の発症、進行を抑制することが報告されました。事実ルテインを含んだ抗酸化物質は目の健康維持のために必要な成分なんですが、どのような食材を摂るのがいいのでしょうか。

今回は目のために1日1個これを食べてみてくださいという事に関してお話させて頂きます。

私がおすすめしたい食材はズバリ卵です。卵はルテインはもちろん高濃度のビタミンやミネラル、タンパク質が豊富に含まれていてスーパーフードとして分類される食材の1つです。全卵は非常に栄養価が高くて自然のマルチビタミンとも呼ばれています。卵にはどのような成分が含まれているのでしょうか。

卵1個あたりの平均カロリーは70ー80kcalです。1日に必要な栄養素のうち、タンパク質は7%、脂質が8%、ビタミンAは10%程度含まれています。ビタミンAの主成分であるレチノールは夜間視力を向上させる役割があります。また角膜や結膜といった粘膜の形成にも関わっていて不足することでドライアイが悪化することも知られています。目にとって大切なビタミンの1つです。

またビタミンB群が多く含まれています。ビタミンB2は15%、B5は7%、B9と言われる葉酸は9%、B12のコバラミンは19%程度含まれています。ある報告ではビタミンB6、9、12を一定量摂ることで加齢黄斑変性症のリスクが34%低下したという報告があります。またビタミンB12は末梢神経の回復効果があったり、視神経の機能維持のために大切な成分です。眼科ではサンコバやメチコバールとった点眼薬や内服薬に含まれているものです。

また卵にはビタミンEやミネラル成分として、亜鉛も含まれています。

亜鉛は網膜に含まれていて、網膜における活性酸素を除去する働きがあります。

これらビタミンA,B群やビタミンE、亜鉛は目の健康維持のために大切な栄養素です。

このように1日1個卵を食べることで1日に必要なビタミンやミネラルを10%前後補うことができます。

卵はそれだけではありません。冒頭でもお話した目に大切な成分ルテインやゼアキサンチンを効率的に補うことができます。

ルテインやゼアキサンチンはカロテノイドと呼ばれる天然色素の1種で目の中に含まれている唯一のカロテノイドです。目の水晶体と黄斑部という大切な部位に多く含まれている事が分かっています。

これらは目の老化の原因となる「活性酸素」から目を守る強力な抗酸化作用があるため「天然のサングラス」と言われています。

これら両方含んでいる食品は中々ないんですが、卵はその両方を含んでいます。そして生体利用率が高いというのも特徴です。

ルテイン、ゼアキサンチンは脂溶性と言って油に馴染みやすい性質があるので脂質と摂ると効率的に体内に取り込む事ができます。卵の卵黄部分は天然の脂質が多いので植物(しょくぶつ)由来のものより吸収率が3倍程度高い事が知られています。ある報告によるとたった1個卵を毎日食べることでコレステロールの値を上昇させることなくルテインの血中濃度を26%、ゼアキサンチンは38%増加することができたと報告されています。他の研究では12週間にわたって卵を3個毎日とることでルテインとゼアキサンチンの血中濃度がそれぞれ21%、48%増加した事が報告されました。卵は多くのビタミン、ミネラル成分だけでなくこのようにルテイン、ゼアキサンチンが含まれていてかつ生体利用率が非常に高いのがポイントです。

卵に含まれているコレステロールを気にされる方もおられるかもしれません。卵はコレステロールが高いのは事実です。このことから一昔前は卵はコレステロールが多いから1日1個までと言われていたことがあったようですが、最近報告されているものはやや違ってきています。ほとんどの研究では「食事からとるコレステロールは血液中のコレステロールに影響を与えない」と報告さています。卵を毎日食べてもコレステロールの値は変化しなかった、または卵を食べることで心疾患系のリスクを減らせたとの報告もあります。

ルテインが含まれている食材は他にもあります。例えばほうれん草などの濃い緑色の野菜も含まれていますが、アメリカでの報告だと、ほうれん草のみを食べた方と卵のみを食べた方を比べた結果、卵のみを食べた方の方がルテインの血中濃度が高かったと報告されました。ルテインの含有量はほうれん草と比べると圧倒的に少ないわけですが、この理由としてルテインは脂溶性のため脂質と一緒にとることで吸収率があがるからと考えられています。卵には天然の脂質が大量に含まれているため、生体利用率が高いです。卵のみで食べられてもよいと思いますし、ほうれん草を食べられるなら卵のような脂質と一緒にとった方が効率的に吸収できる事もわかっています。

ルテインは熱変性に強いので好きな調理方法で卵を1日1個とられてみてはどうでしょうか。

卵はこのように栄養価が非常に高いです。目にいいだけでなく、タンパク質が豊富です。タンパク質の優良性スコアを示す「アミノ酸スコア」は100です。これは非常に優れた質の良いタンパク質である事を意味します。認知症や動脈硬化の予防効果、美容効果など様々なメリットがあります。ただ卵はどの卵も同じ栄養価ではありません。可能でしたらやや割高になりますが、ω3強化卵をとるようにしてください。ω3脂肪酸とは必須脂肪酸であるドコサヘキサエン酸、DHAというものやエイコサペンタエン酸EPAと言われるものです。これらは網膜細胞に多く含まれていて網膜の機能維持のために重要な栄養素です。主に青魚に含まれている成分です。

内科の先生から卵の摂取を制限されている方は注意が必要ですが、そうでなければまずは1日1個卵を日々の食生活に取り入れてみてはいかかがでしょうか。

今回の話をまとめますと

①卵1個で1日に必要なビタミン、ミネラル、タンパク質を10%前後とることができます。

②卵を1日1個食べることでルテイン、ゼアキサンチンの血中濃度を20ー30%上昇したと報告されています。

③多くの報告では食事由来のコレステロールは血中濃度には影響しないとされています。

④卵には天然の脂質が多く含まれているため生体利用率が高いです。緑色の野菜にも多くのルテインが含まれています、卵と一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。

⑤医師から卵の摂取を控えるようにしてくださいと言われている方は注意してください。

という5点です。

目にとってよい食材は色々ありますが、私がもっとも推奨したいのは卵です。国内、海外では毎日卵を3個とってもよいと言われている先生もおられます。いきなり3個は多いかもしれませので、まずは1日1個からはじめてみてはいかかでしょうか。

今回は目にとってよい食材、卵に関してお話させて頂きました。


(2023.1.16)