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96. その眼鏡 目を悪くします!

今回はその眼鏡が目を悪くしている可能性ありますという事に関してお話させて頂きます。普段使われている眼鏡が実は目にとって悪影響になっている可能性があります。合っていない眼鏡を使い続ける事が眼精疲労の原因になって、目の疲れ、頭痛、めまいや吐き気、ひどいとうつ状態になるまで至る場合があります。

眼鏡をされている方は多いと思いますが、お持ちの眼鏡の度数やかけている状態を見せてもらうと目の不調が目の見え方をサポートするはずの眼鏡だったということがよくあります。今回はこの眼鏡をかけていたら交換したほうがいいかもしれないです、またこういうところで買ってくださいということに関してお話させていただきます。

まず1つ目は「よく見える眼鏡が必ずしも良い眼鏡ではない」という点です。ここで言うよく見える眼鏡というのは遠方に合わせた眼鏡です。眼鏡での矯正視力が1.0以上の眼鏡で通常皆さんがよく作られる眼鏡です。

遠方がはっきり見えているんだからいいんじゃないかと思われるかもしれないです。遠方に合わせて作っている状態は当然ですが遠方に最も焦点があっています。運転をしたり、映画を見たり、演劇を見にいくというような時は遠方用の眼鏡は良いと思います。ですが、ほとんど遠方視を必要としない方だとかえってその遠方用の眼鏡が悪影響を与えている場合があります。


例えば遠方用の眼鏡で近くを見る時は筋肉を緊張させて水晶体をぐっと膨らまして見ます。遠くがしっかり見える眼鏡で手元を見続けるというのはずっと筋肉が緊張し続けている状態なんです。現在は超近視時代と言われていますが、パソコン、スマホ、タブレットのようなデジタルデバイスを長時間使われている方が多いと思います。そのため長時間の近業作業が筋肉が疲弊して疲れ目のような目の不調の原因になるんです。



すなわち遠方用の眼鏡は遠方を見るために作られているので遠方視の際には適切な眼鏡なんですが、パソコンの距離を見る事がメインであるのならその眼鏡は過矯正と同じ状態になってしまいます。

このような事から、遠くがよく見える眼鏡が一番言い訳ではないんです。本来眼鏡は見え方の補助すをるものですが、目的が違うとその眼鏡が悪影響を与えている可能性があります。疲れ目の目薬をして改善することもあると思いますが、まずは目的に合った適正な度の眼鏡を作られるのがいいです。家の中での生活がほとんどの方なら遠方視力1.5も見える眼鏡は必要ないと思います。矯正視力0.8程度で充分だと思います。個人的には中近両用の眼鏡がおススメです。運転が必要なときは遠方の眼鏡を別にもってもらうのがいいと思っています。生活スタイルは人それぞれですので、生活スタイルに合った眼鏡を作ってもらうのが良いですね。

ではどこで眼鏡を作ったらいいんでしょうか?私としてはいきなり眼鏡屋さんにいくのではなく出来るだけ眼科受診してから眼鏡の処方箋を作ってもらうようにしていただきたいです。なんか最近見にくいな、老眼が進行したかもと目の不調を感じて直接眼鏡屋さんにいかれる事多いと思います。眼疾患のリスクが低い20歳前後の方ならこれでいいかもしれませんが、40歳以降の方は必ず眼科に受診してから目の異常が無いことを確認して眼鏡を作っていただきたいです。老眼の進行だと思っていたら実は目の病気だったということがよくあります。。

例えば緑内障のような病気が隠れている可能性があります。

初期中期の緑内障は視力が出るので眼鏡自体は作ることができます。視力自体も正常の方と同じように視力がでます。多くの緑内障は周辺からの変化が多いので通常視力が落ちるまで時間がかかります。眼科に行かない限り目の病気は当然分からないので、重症な病気が見過ごされている事もよくあります。

また視力が落ちてきてまた老眼が進行したと思って眼鏡屋さんにいったら今度は視力がでない、眼科受診を進められて眼科に行ったらすでに末期の緑内障だったということがあります。または白内障による視力低下の場合もあります。その場合眼鏡を買いなおすより手術した方がメリットが大きいような事もあります。

老眼が進んでいただけだと思っていたら実はこのような病気のせいだったということがあるんです。特に強度近視の方はこのような病気のリスクが高いのでできるだけ眼科を受診して眼鏡処方箋を作ってもらい眼鏡屋さんにいってもらうのがよいと思います。

そしてこの眼鏡の処方箋を作ってもらって眼鏡屋さんに行って頂くんですが、どの眼鏡屋さんに行けばいいのでしょうか?眼鏡の処方箋をつくってもらえばそれ通りに合った度数の眼鏡が出来上がるはずだからどこでもいいでしょうと思われがちですが、そうでない場合があるので注意が必要です。眼鏡屋さんはたくさんありますよね。安い眼鏡がダメで逆に高い眼鏡が必ずしもよいわけではありません。

度数があっているのと同じくらい大切なことは眼鏡のフィッテイングです。せっかく適切な度数の眼鏡処方箋を出してもらってもフィッテイングが合っていないとその眼鏡はまったく意味がありません。眼鏡のレンズには中心

があります。レンズはどこも同じように見えるわけではありません。レンズの中心が最も見えるようになっていて端になるほど度数が違ってきます。そのためレンズの中心に黒目がきていることがとても大切です。遠近両用

の眼鏡であれば上方に遠用部分があって下方に近用部分があります。眼鏡が上にズレて瞳の中心が近用に近い部分にあれば極端に遠方視の見え方が悪くなります。そのため瞳の中心がレンズの中心に来るようにしっかり眼鏡を調整しなくてはなりません。

安い眼鏡がダメで高い眼鏡がよい訳ではありません、しっかり調整してもらえるところがよい眼鏡屋さんだと思います。

またお子様の場合はブルーライトカットは必ずしないようにしてください。ブルーライトは有害な光だというイメージがありますが、現状はそのような科学的根拠はありません。アメリカ含め国内の学会からも注意喚起されていますが、ブルーライトをカットすることで子供の場合近視が進行するリスクがあるんです。太陽光には近視抑制に有効とされる成分がありますが、そのような有効とれる光がブルーライトカットすることで入ってこなくなるんですね。そのためブルーライトカットの眼鏡をすることで近視が進行するリスクがあります。そもそもブルーライトは外に出れば普通に浴びる光です。最近タブレットなどのデジタルデバイスで勉強する機会が多いですが、タブレットから出るブルーライトは非常にわずかな量です。曇空や窓越しからの自然光よりも少ない量と言われています。ブルーライトは覚醒作用があるので、夜間使用すると眠りが浅くなる可能性があるので注意したほうがいいかもしれませんが現状はその程度です。眼鏡のレンズにブルーライトカットをすることは注意喚起されているのですが、まだあまり広がっていないのが現状です。このあたりは眼鏡屋さんも知らずしてサービスと思って付けられているところもあるようです。

近視を進行させる可能性があるので成長期の間はできるだけブルーライトカットをしないようにしてください。

今回のお話をまとめますと

①遠くがよく見える眼鏡が必ずしもよいわけではありません。生活スタイルに合った眼鏡を選ぶようにしてください。

②眼科受診して目の検査をして眼鏡処方箋を作ってもらってから眼鏡屋さんに行かれるのがよいです。

③眼鏡はフィッテイングがとても大切です。処方箋通りの眼鏡でもフィッテイングがよくない眼鏡は意味がない可能性があります。

④子供の間はブルーライトカット眼鏡はしないようにしてください。

という4点です。このように普段している眼鏡が実は目を悪くしている原因になっている事があります。眼鏡が変わるだけで眼精疲労が軽減できて頭痛、肩こりから解放される方もおられます。現代社会はスマホ、パソコンなどの近業作業が多いため、普段している遠くが良く見える眼鏡が実は過矯正の状態になっているような事もあります。子供の場合はブルーライトカットを入れていることでブルーライトの暴露自体よりも有害になっている場合もあります。今回は目を悪くしている可能性がある眼鏡に関してお話させて頂きました。


(2022.10.5)