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57. 緑内障悪くしやすい人の特徴

緑内障という病気は眼の奥の視神経という部位に障害がおき、そのまま無治療にしてしまうと少しずつ視野欠損が始まり最終的には失明してしまう眼の病気です。日本人の中途失明率一位の病気が緑内障なんですね。緑内障=失明ととってしまうととても怖い病気ではありますが、きちんと治療すれば99%以上の方は失明するような事はないと言われております。

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このページの解説は以下のYouTubeでもしています

https://youtu.be/DUrsm5OLXAI

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私は長年緑内障専門施設の眼科で働いていたこともあり多くの患者様をみさせいただきました。その中でこの患者さんがこうしていたら緑内障として状態がよかったのにと思うことがありまして臨床を通して感じた事を5つお話させて頂きます。

まず一つ目です。それは緑内障の疑いあると言われたにも関わらず受診を放置してしまっている人です。このパターンが一番多いように思います。例えば10年前にコンタクトレンズ作製時に緑内障の疑いを指摘され今後視野検査を予定していたが仕事等の理由で眼科を受診しなかった。だけど最近になり視野欠損を自覚し10年ぶりに眼科を受診したところ緑内障と診断された。というような感じです。どんな病気でも早期発見早期治療が大切なのですが、緑内障に関しても同じことが言えます。この例でもいえるのですが早期に分かり治療を行えば緑内障として心配しなくていいことがほとんどなんです。ただ残念ながら緑内障という病気は未だに多くの方に知られいておりませんしどんな病気なのかも知らない方がほとんどです。緑内障の疑いと言われても自覚症状がまったくないしもう少し様子をみてみようと考えられる方が多いようです。緑内障の疑いと言われた場合必ず医師の指示通りに受診していただきたいと思いますし、眼科受診されたことがない方でも40代以降は必ず眼科受診するようにしてください。

次に二つ目です。点眼を途中でやめてしまう人です。緑内障の目薬はまずは1日1回タイプのものが多いのですが、進行具合と共に2本、3本と増えていきます。そうすると目薬をしなくなる方が急に増えていく事が研究上分かっています。そのため現在合剤といって二つの目薬が一つになったタイプが進められたりしているんですね。それでも緑内障の目薬は市販の目薬のようなものと違って差し心地がいいものではありません。充血するものもありますし、異物感を伴うものもあります。中には目の周りの皮膚が黒ずんだりすることもありまして差し心地がよいものばかりではありません。データによると1年の中で30%ぐらいの方が脱落し2年以降続けている方が40%ほどしかいないと言われております。目薬をしっかりしている間は眼圧の値がよかったのにやめて高い眼圧を放置していた結果視野欠損がすすみ自覚的な支障が出てきたので目薬を再開したという方が多いです。緑内障と診断された方は基本目薬を途中で中断することはできないのですが、きちんと守ってしている方は生涯問題ないことがほとんどです。今でも目薬の治療が最も有効と考えられておりますのできちんとされるようにしてください。

次に3つ目糖尿病で眼科の受診を放置していた方です。糖尿病で眼科を受診する事に違和感をもたれる患者さんは多いのですが、目にも傷害が出てくることがあることで知られています。糖尿病網膜症という病気です。糖尿病網膜症は眼底出血といいまして眼の網膜の血管に生涯が起きて様々な視覚障害を引き起こす原因になります。これも軽度だと自覚症状はありません。糖尿病網膜症も軽度なものから中等度、重度なものと3段階あり重度な網膜症になると眼底出血するだけなく眼の中の眼圧があがってしまうんですね。眼の中にも血圧みなたいなものがありましてこれを眼圧といいます。この眼圧の正常値は10-21までなのですが、重度の糖尿病網膜症だと眼圧が30、40と高くなる事があります。40を超えだすとさすがにみにくくなってくるのですが、30台の眼圧は自覚症状が出ないことがほとんどです。この糖尿病が原因でなる緑内障は通常の緑内障と違い新生血管緑内障という一番難治性の緑内障です。日本人に多い正常眼圧緑内障だとか、原発開放隅角緑内障と違って進行が早いのが特徴です。コントロールがいい糖尿病の方は基本心配いりませんが、内科の先生から糖尿病のコントロールが悪いといわれている方であったり、糖尿病の指数のヘモグロビンA1Cという値が10を超えているような方は月に一度の眼科受診の必要がある場合がありますので注意していてくださいね。

そして4つ目ステロイドの目薬を長期間使っている方です。ステロイドの目薬はぶどう膜炎という眼の病気であったり、結膜炎の治療の際に使われる目薬です。ステロイドは効き目がとてもよい一方で諸刃の剣で眼圧が上がる可能性があるんです。この目薬を使う際には眼圧の定期チェックが必須なのですが、これも同じように仕事などの理由で眼圧を測定されない方がおられます。一時的に使用する際には問題ないことがほとんどですが、特にぶどう膜炎という病気は病気の性質上ステロイドの目薬を長期間使わなければならないことが多いです。時々仕事などの理由で目薬を大量にもらっている方がおられまして眼科の受診をされない方がおられます。先程と同じですが眼圧が上がっても基本自覚的に変化を気付くことはありませんので必ず定期的に受診すうようにしてください。

同じステロイドでも内服や目以外の部位にステロイドの軟膏を付けることがあると思いますが、これは基本問題ないことが多いです。ただし内服や目以外への軟膏は逆に白内障が問題になることがありますのでどちらにしろステロイドを何らか長期間使用される方は眼科を受診するようにしてください。特に目局所に使用するステロイドの目薬や軟膏は目への作用が出やすく白内障、緑内障ともに影響が出やすいので注意が必要です。

最後5つめです。最後は緑内障の人は相談してくださいねと言われている薬を内服している方です。これは医療用医薬品だけでなく市販薬でもありますので注意してください。抗コリン剤という薬が含まれていまして風邪薬だとか胃薬、アレルギーの薬、精神病の薬など多くの薬に含まれています。この薬を飲むと眼圧が高くなっている事があります。特に多いのは目がもともとよい方であったり遠視と言われている方は注意が必要です。この眼圧があがるかもしれない抗コリン薬は緑内障の中でももともと目がいい人のタイプ緑内障で閉塞隅角緑内障という眼圧の水の流れが狭いタイプの方が問題になります。抗コリン薬を飲むとレンズが膨張し、元々狭い水の出口をさらに狭くしてしまう事があるんです。慢性的に内服していたことで実はかなり高い眼圧であったことがわかったりするんですね。緑内障と診断された方は閉塞隅角緑内障かもしれませんので一度かかりつけの眼科の先生に病名を確認されることをおすすめします。簡易的にわかる方法として自分が近視かどうかというのがポイントになります。近視の方は通常眼球が大きいためこの閉塞隅角緑内障という病名である可能性が低いです。もし自分の目が近視であるなら基本は心配がなく抗コリン薬が含まれている内服薬を飲んでいただいほぼ大丈夫だと思っていただいていいのですが中には近視の方にも例外がありますので病名を確認していただくのが確実です。

ここまで緑内障が悪くなることを防げたのに悪くなってしまった例を5つお話させていただきました。今回の話をまとめますと

①緑内障は疑いと言われたら必ず定期検査をするようにしてください。

②糖尿病がある方で特に糖尿病のコントロールが悪い方は目への負担にもなっている可能性が高いです。

③慢性的にステロイドの薬を使っている方、特に目薬の場合は注意が必要です。

④緑内障と診断されたら抗コリン薬の内服をしていい緑内障のタイプかを確認してください。

という4点です。緑内障と診断されたら早期に治療していけば問題ないことがほとんどなのですが、特に仕事されている方はどうしても受診が遠のいてしまう方が多いようです。よければご参考ください。


(2022/2/4)