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48. 緑内障を早期発見する方法

緑内障を最も早くみつけるにはどうすればいいのかということに関してお話させていただきます。
緑内障という病気はそのまま放置していくと失明してしまう病気で日本人の中途失明率1位の病気です。初期には自覚症状がまずありませんので、何も自覚することはありませんが、中期以降すすむと視野欠損の部位を徐々に自覚し、進行するにつれて視力ががくっと落ちてしまいます。緑内障は神経細胞の変性の病気ですので、脳梗塞などと同様に一度発症すると治ることはありませんし、当然手術等によって回復することもありません。ですので、いかに早期発見してしっかり通院する事が当たり前なんですがとても大事です。しかし実際は早めにわかって治療が行えることはあまりありません。それには様々な原因が考えられますが、大きな原因として緑内障という病気自体がまだまだ認知されていないことにあるようです。緑内障で多い発見のされ方は結膜炎などなんらか眼の不調やもしくはコンタクトレンズ作成時にたまたま受診したところ緑内障の疑いがあるということで視野検査をした結果発覚されることが多いですし、職場の健康診断で眼底検査で乳頭陥凹拡大の指摘、これはすなわちこれは緑内障の疑いということなんですけど、そのようなことがきっかけで緑内障がみつかる場合があります。幸運にも早めに発覚できればいいのですが、緑内障の大きな問題は先程もお話しましたが初期や中期の始まりぐらいでは自覚症状が全くないんですね。視野欠損の仕方によっても症状は様々なのですが基本的にはかなり進行しないと自覚症状が出てこないんです。中には年齢とともに白内障も進行していくのでこのみにくさが白内障のためだと思っていましていずれ手術して直そうと思っていましたと自己判断してしまい、放置していた結果実は緑内障が視覚不良の原因だったということもよくあるんです。

そのため緑内障を早く発覚することは言うまでもなくとても大切です。では早めにわかるためにはどうすればいいのでしょうか。これは結論から先にいいますと眼科を受診してOCTという検査をしてください。という話になります。OCTという検査は網膜の断層像を見る検査で、網膜の厚みは0.3mm前後でとても薄いのですがこの部位を拡大して撮影する機械です。これは早期発見に非常に有効に使われます。この検査を受ければ早期の緑内障をかなりの確率で診断することができます。緑内障は視野欠損の程度に応じて初期、中期、末期と進行していくのですが、視野欠損が起きる前の緑内障、前視野緑内障というのですがすなわち緑内障の最も初期段階を判定することができます。昔はこの機械がなかったため、このような言葉すらなかったですし判定が困難だったのですが現在はこのOCTという検査をするだけで即座に緑内障の前段階の状態であると判定できます。視野検査のように自覚検査ではなく数秒で終わる検査でありましてあっという間に判定できてしまうんですね。OCTという検査は黄斑症のような網膜疾患でも使われますが、緑内障診療においてもとても重宝されて使われており僕ら眼科医にとっても欠かすことができんない検査なんです。この前段階で分かってしまえば、人生100年時代において緑内障治療はとても優位になります。

この検査を何歳ぐらいからすればいいのかという話になりますが、一つの目安は40歳になってからです。可能なら40歳以降毎年この検査を受けて頂きたいと思います。緑内障の有病率は40歳以上で5%がいると言われておりまして年齢とともにこの有病率は増加するんですね。緑内障学会としても40歳になったらまずは眼科にいって受診することを強く勧められております。基本的には40歳になったら検査を受けて頂くということでよろしいのですが、例外がありまして緑内障の家族歴があるかたや強度近視の方は更に前倒しで早めに検査をされることをおすすめします。家族歴や近視は緑内障発症においてリスクファクターであり、早めに検査しておいた方がいいと考えられているからです。ちなみに職場の眼底写真や眼圧検査で問題がなかったから眼科は受診しなかったというのもおすすめしません。もちろん職場で眼底写真を取って検査を受けること自体はとても大切なのですが、この緑内障の最も初期段階を判定するのはやはりOCTという機械がもっともすぐれています。緑内障は神経細胞のうちGCLという視神経節細胞層というところが最も早期に障害を受けると言われておりましてこれはOCTで撮影し断層像を確認すれば一目瞭然なんですね。これを眼底写真、眼底検査だけでは不十分ですのでこの検査を受けて頂きたいと思います。この前視野緑内障から視野欠損がはじまるのは診断されてからおおよそ3年で10%、15年で50%ぐらい発症すると言われております。すなわち視野欠損が生じるまでにだいぶ余裕がある状態なんですね。この状態を把握し早めに治療が開始できればもちろん視野欠損が生じるのも遅れますし場合によっては進行が停止したまま視野欠損が生じない可能性も充分にありえます。これは眼科だけの検査に限ったことではないと思うのですが、健康診断の検査だけでは不十分ですので眼科を受診し精密検査をされることをおすすめしたいと思います。今回の話をまとめますと、
①緑内障の最も早期の段階を見つけるにはOCTという検査がすぐれています。
②40歳になったらまずOCTという検査を受けて頂き、毎年チェックすることがよいです。
③ただし、家族歴のある方や近視が強い方は更に前倒しでできるだけ早めに検査を受けることをおすすめします。
④職場の健康診断の検査だけは不十分です。眼科受診し精密検査を受けるようにしてください
という4点になります。日本人の70%は正常眼圧緑内障といわれましてこの病気の特徴は進行がとてもゆっくりなことです。昔の人は短命であったためこの病気が重症化する前に寿命を終えていたので問題になることがほとんどなかったのですが、現在は人生100年時代ですので昔の人のように70歳、80歳まで見えていたらよいという時代ではないんですね。この緑内障の前段階を早めにチェックして治療を行うことはとても有効です。是非OCTという検査をはやめに受けていただきたいなと思います。今回は緑内障を最も早期にみつけるにはどうしたらいいのかということに関してお話させていただきました。


(2021.9.19)
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