ブログ

BLOG

38. 緑内障点眼薬は2本で最大効果が得られる時代に

緑内障の目薬に関してお話させて頂きます。緑内障の治療といえば眼圧を下げることです。目薬を使って眼圧を下げていくことが多いんですけれど、毎日きちんと使う事が大切です。そしてその目薬は現在30種類以上あります。どれを使うのかというのはだいたいの流れというのはあるのですが、目薬でも合う合わないがあるので自分に合う目薬を主治医の先生と相談しながら決めていくことになります。緑内障の目薬は現在大きく分けて6種類あります。プロスタグランジン製剤、Βブロッカー、炭酸脱水酵素阻害薬、α1遮断薬、α2刺激薬、副交換神経刺激薬です。少し前にこれ加えてEP2受容体作用薬というのとRock阻害薬というのがでてきてややバリエーションが出てきましたが、大きくわけて6つだと考えてください。日本人に多い正常眼圧緑内障は無治療眼圧から30%下げることが大切で、目標眼圧を決めて目薬を使っていくことになります。まずは1つの目薬から始まり、目標眼圧まで眼圧が下がらないと、今の目薬では眼圧下降がまだ不十分だと考えて2つ3つと増えていくんです。血圧と同じで下がりが悪ければ内服が増えたりしますよね、内服も増えると大変ですが、目薬も同じで増えていくと大変なんです。そもそも目薬は指し心地いいものがあまりなく、充血したり、しみたり、中には目の周りの皮膚が黒く沈着してしまうものがあります。1つの目薬で済めばそれでいいんですけれど、このような目薬が増えるとストレスになるんですね。緑内障診療ガイドラインでは緑内障の目薬を使用する際のポイントとして、効果が最大に得られてかつ少ない点眼回数で副作用が極力少ないものを選ぶようにすることが大切と言われております。薬物アドヒアランスといいまして薬をちゃんと患者さんがつかってくれているかというのがどうかというのはとても大事なんですが、調査によると1本までの目薬ならちゃんと使えても2本目以降追加されると薬物アドヒアランスが一気に低下するすなわち目薬をしなくなる方が多くなることで知られおります。医者は薬を処方してもきちんと使ってもらえるかどうかは患者さん次第でありまして、しっかり目薬をしてもらうには患者さんと医者との信頼関係や何故点眼が増えることになったのかという認識が大事と言われていますが、とはいえ複数の目薬を毎日するのはやはり大変だと思います。
目薬をしなくなった理由として単純に本数が多く大変になったという理由だけではなく緑内障ですでに高度の視野変化がすすんでいて思うように目薬が目に入らない、認知症がすすみ点眼がきちんと管理が自分でできない、差し心地がよくなく差すのをやめてしまったなど理由は様々です。例えばですけど、緑内障の目薬で三本使用している場合で1日1回のものと2回のものと3回のものの3本を使うパターンがあるとします。その場合朝に両眼に5分あけて2回目薬して昼に一度目薬して、そして夜は5分あけて3回目薬をするというパターンになります。緑内障の目薬に加えて白内障の予防の目薬やドライアイの目薬、アレルギーの目薬など追加にさされている方がいれば更にこの点眼回数より増えることになります。想像するだけで大変だと思いますし、目薬ができなくなる人がいても不思議ではないと思ってます。2010年以降は配合剤というものが出てきております。すなわち1番最初にあげた6種類の目薬のうち2つが1つに合体したものです。例えばプロスタグランジン製剤とβ遮断薬という目薬が合体したものなどです。これはプロスタグランジンは通常1日1回の目薬でして、β遮断薬は1日2回するものです。この目薬が合体して1本の目薬になりました。しかも点眼は1日1回でいいというものです。薬の効果としてはこの合わさった目薬をさしても、別々に目薬をさしても眼圧の下降程度は変わらないと言われているんですね。それならわざわざ2本使って合計1日3回さす目薬より1日1回で済む合わさった目薬をさす方がいいですよね。この配合剤の点眼はどんどん出来てきてまして、最近だと炭酸脱水酵素阻害薬の点眼とα1遮断薬の目薬が合体したものができました。炭酸脱水酵素阻害薬の目薬は1日2−3回のものであり、α1遮断薬の目薬は1日2回の点眼が必要です。別々に点眼使用したら1日5回ぐらいの点眼が必要なんですが、合わさったものだと1日2回で済むんです。先程と同じで分けて使っても一緒にしても効果は変わりないと言われています。そういうことで先程の目薬と合わせて使うとプロスタグランジン製剤、βブロッカー、炭酸脱水酵素阻害薬、α1遮断薬の効果を今までなら4本の目薬が必要で1日7,8回ささなければならなかったものが現在は2本でしかも1日3回の点眼回数で済むというようになりました。点眼回数が少なくなることで日々の生活がぐっと楽になると思います。究極には6つの薬剤が1つになり点眼も1回で済むような目薬ができてばいいんですが、いずれにしろ配合剤の点眼はどんどん今後でてきそうです。緑内障の目薬治療の限界としてだいたい3つか4つを使うことが薬物治療の限界と私は考えてます。この上で5本目とか使うことはあるんですが効果からするとどうなのかなと思います。点眼での薬物効果を最大にできるのが2本で1日3回で済むなら患者さんの負担もだいぶ減るしとてもいいことだと思ってます。今回は緑内障の目薬に関してお話させて頂きました。


(2021.7.30)
  • 058-262-3224
  • ページの先頭へ